レースクイーンの悲劇 5
「どうかな?」
「いいですね。二人とも大人っぽくて、10代とは思えませんね」
二人の会話を聞いて、栞と紫苑は少し恥ずかしくなって、俯いてしまう。
「私服姿も可愛らしくていいですが…」
幸成は二人を見て、ある思いを巡らせる。
「…祐樹さん、お二人に、水着に着替えてもらうことは…」
「僕は問題ないけど…」
「水着はたくさん用意してありますし」
その言葉を聞いて、一瞬戸惑う二人。
「…恥ずかしいですね…」
「心の準備が…」
「もし芸能界でデビューするとなったら、グラビアの仕事がたくさんあるはずだよ。そのためにもね」
「そ、そうですか…」
紫苑はそう答えるが、表情は強張っている。
「お二人はまだ若いし、将来、長い間グラビアを引っ張れる存在になれると思うんだ」
「そうなんでしょうか…」
栞は不安そうに言う。
「まあ、園田くんが言うんだから間違いはないと思うよ。せっかくだからやってみようか」
祐樹に促され、二人は着替えのための部屋に向かう。
着替えの部屋には、色やデザインがそれぞれ違う、水着がたくさん並べられていた。
「うわー、すごいですねー」
部屋に踏み入れた栞が、驚嘆の声を上げる。
「スターライトって、結構有名な事務所だね…祐樹さんが伝があったなんて」
「社長さん、優しそうな方でした」
「うん、結構いいところかもね」
二人になって、栞と紫苑も緊張が解けてきた。
「紫苑さん、どれにします?」
「お二人に見てもらいたいから、大胆にビキニ着ない?」
「そうですね〜…」
二人は、水着を手にとって着替え始める。
紫苑は黒のビキニ。
栞は白のビキニ。
「ビキニ、初めて着たんですよ〜」
栞が子供のようにはしゃぐ。
「初々しいね、シーちゃん」
そう言う紫苑も笑顔だ。
ビキニに着替えて、祐樹と幸成が待つ部屋に向かう。
「「お待たせしました」」
ビキニ姿の二人。
ともにスタイル抜群の身体に思わず見とれる男二人。
「素晴らしいですね」
「言ったとおりでしょう」
ビキニ姿でポーズを取る二人に、幸成が言う。
「お二人に、自己紹介してもらいましょうか。名前と年齢、スリーサイズを」
「はい…秋月栞、17歳です。スリーサイズは、上から88・58・88です」
「牧瀬紫苑、19歳です。スリーサイズは上から90・59・87です」
「うん、素晴らしいね」
「ダイヤの原石という感じだね」