アキラ君の「ちょっと待ってよお兄ちゃん!」 36
今度のお風呂は汗を流す程度
それでも咲良のシャワーを浴びる姿は俺の股間に熱いい物が走る
お湯に濡れて光る肌の上を滑る掌さえ官能的だ
その掌が豊満な胸を滑ると…
湯船に浸かっていなければ、後ろから抱きついていただろう
「アキラ、ええよ」
咲良の姿に見とれていた俺は咲良の声に我に返ると平静を装い湯船を出る。
湯船の縁に足を取られるようなベタベタなことをしないように気を配る
両足が床に着いたとき気を抜いてしまったのか、滑った
湯船にしがみつき事なきを得た
咲良と代わり、シャワーを浴びる
その姿を今度は咲良が湯船から眺めてる
なんか恥ずかしくくすぐったい
「なぁ、アキラ」
「なん、だ?」
緊張してるのか声が裏がえる
「あんな、あんまし肌、ゴシゴシ擦らんほうがええよ」
俺は咲良の言ってる意味がわからず固まってると手を取り、湯船のお湯で俺の腕を洗った
「こう、肌と掌の間にお湯を挟むようになチャプチャプ洗うんよ。
アキラは男なのにきれいな肌を持っとるさかい、大事にしようょ」
咲良に洗ってもらった様に洗ってみる
しかし、今までと違う洗い方をそう簡単にできるものじゃない
がー!と洗いたいが、きれいと言ってくれたのに恥じないように丁寧に洗った
風呂を上がると洗面台にしまう前のハンドタオルが積んであったのでそれを一枚取った
バスタオルを渡そうとしていた咲良が唖然とする
「アキラ、バスタオルあるよ?」
「これ(ハンドタオル)で十分だよ」
実際自宅では俺もお兄ちゃんもほとんどこれだ
俺は手早く体を拭き、タオルを腰に巻き端を縛った
男の体の時は(色気ねーな)なんて思っていたが、今の(女)体になってやると際どいスリットの入った超ミニスカートみたいでいいかな?なんて思ったりする
ただ、お尻が膨らんで、隠れるべき所が覗いたりしている
俺が腰にハンドタオル膜のを見て、咲良もハンドタオルで腰に巻き付けてみた
タオルの端を巻き込み固定をすることは出来ても、結ぶことは出来なかった
「…ウチ、アキラんこと嫌いかも…」
「?へ!?」
乾燥機から暖かいがさらっと乾き上がった服を渡され、下着の気付けに苦戦していると、咲良は手伝ってくれた
再び小さいながらメリハリのある体にしばし見とれる
その後ろから咲良は冗談で首を絞めるように俺のウエストを締め上げる
俺は腰を触られくすぐったさで転げると、さらにくすぐり回された
「まだ降ってるかぁ」
服を着て咲良の部屋のベランダから見る景色は雨に煙る
俺達を濡れネズミにした時よりは雨足は衰えているものの、雨が好きな人じゃなければ出たいと思える天気じゃない
「アキラ、泊まってっちゃえば?」
「うーん、そうしたいけどお兄ちゃんの飯の支度とかあるからね。冷蔵庫空っぽだし」
「そっかぁ…」
咲良は残念と顔を曇らせる
「傘、貸してくんないかな。できたら返し忘れてもいいビニール傘」
俺は帰る決意をした
「安物傘はレンタル週五百円やで」
「高級傘は?」
「レンタル無料」
「じゃ、高いの貸して」
「ちゃんと返しいや」