アキラ君の「ちょっと待ってよお兄ちゃん!」 17
あられもない俺の姿を、真由美さんは見下ろしてくる。
逃げ出したかったけど力が入らず、立ち上がる事すら出来なかった。
「あの…」
真由美さんは憐憫の表情を向けてきた。
そして俺から視線を外すと、驚いているお兄ちゃんの方を振り向く。
「優君、アキラ君をベッドまで運んでやりな」
お兄ちゃんは俺の所まで来て、ゆっくりと横抱きに抱え上げられた。
「お兄ちゃん…!?」
「アキラお前…。
こんなに軽かったんだな…」
元から体が小さい俺にとって、その一言は痛かった。
「背が低いの気にしてる事知ってて、そんな事言わないでよね」
照れ隠しと、精一杯の抵抗。
それが今の俺に出来る全て。
そして静かに、ベッドに寝かされる。
「優君、さっき教えた通りに、優しく扱うんだよ?」
いつの間にか、真由美さんが近くに来てた。
『…どう言う事?
さっき教えた通りに?』「女の体は壊れやすいんだ。
それとじぶんの欲望よりも、相手を気持良くさせる事だ」
混乱してる頭じゃ、考えが纏まらない。
お兄ちゃんがそんな俺の上に跨ってきた。
「お兄ちゃんの顔、腫れてる」
「お前こそ、涙でせっかくのが台無しだ」
そして顔を舐められた。「アキラの涙、しょっぱいな…」
涙を拭われ、口付けを交し合う。
「んっ…」
最初は唇同士が触れ合う、フレンチキス。
それから互いに唇を吸い合う。
一度離れ、今度は舌を絡ませ合うディープキス。
「んむ…っ」
昨日の、唇を奪われる感じと違う、優しいキス。
それだけで伝わってくる、俺を大事にしたいと言う想い…。
腰に手を回され、優しく髪を撫でられる。
「はぁ〜」
真由美さんが溜め息を吐いた。
「さっきの私の扱いと大違いねぇ。
その分じゃ大丈夫みたいだから、帰らせて貰うわ」
真由美さんは、熱い熱いと言いながら出ていった。
「どう言う事?」
恥ずかしい想いを隠しながら、目の前のお兄ちゃんに尋ねる。
「お前の事を乱暴に扱った、俺が悪かったって事だよ…」
頬にキスされた。
頬にされただけなのに、俺は『ぽやぁ〜』となってしまった。
「アキラ、今更言うのも何だけどな」
「なに?」
「俺と、こんな事ヤって、ホントにいいのかよ?」
「ホントに今更だね」
不安そうに尋ねてくるお兄ちゃんが、何処か可笑しかった。
「今は好きとか、そうじゃないとか、そんな事は関係ない。
『もう誰でもいいから、とにかく体の疼きを何とかして』それが今の、正直な気持ちだよ」
俺は体をずらし、自分から服を脱ぎ始める。
「ほら、お兄ちゃん達のせいで、こんなになってるんだ…」
言いながら両足を広げ、グッショリと濡れそぼった秘部を開け放った。「ここをこんなにした責任は、ちゃんと取ってよね?」