アキラ君の「ちょっと待ってよお兄ちゃん!」 16
途中でやめられた切なさから、真由美さんに目を向けた。
真由美さんはじっと自分の指を見た後、こっちを見てきた。
「アキラ君、ヴァージンじゃなかったの?」
「あの、えっと、それは、その…」
俺は返答に困った。
「もしかして優君にレイプされたんだったりして…」
冗談っぽく、笑いながら聞いてくる。
でも俺は、さっきとは違う意味で跳ね上がる。
そして、深い海の底にいるような、痛い沈黙の間。
「…っんのエロガキぃっ!
か弱い女の体をいたぶりやがってぇっ!!」
そう叫ぶと、凄まじい勢いでスっ飛んで行った。
『……さっきは俺が襲われるのを黙って見てたくせに…』
女の人の考えがイマイチ分からなかった。
「優っ、テメェっ!」
真由美さんの怒声。
『どぼっ!』
ひたすら痛々しい音。
ドサリっ。
その後に訪れた静寂。
あの後、真由美さん達の事が気になったけど、限界に来ていた俺の体のウズキはどうしようも無かった。
結局、自分で自分の体を慰めてから、真由美に貰った服を着て部屋に行ってみた。
俺は扉の前に立ち、中の様子を伺う。
すると真由美さんの声が聞こえてきた。
「そんな動かし方じゃ駄目だ。
突くんじゃなく、小さく震わすように…」
中で何をやっているのか気になって、少しだけ扉を開けてみる。
すると部屋の中では真由美さんが全裸になって、頬を腫らしたお兄ちゃんに股間を愛撫して貰っていた。
暫くの間、何が何だか分からなかった。
『お兄ちゃんと真由美さんが…』
ショックのあまり、目の前が真っ暗になりそうだった。
wで痛かった。
熱い物が込み上げて、涙が頬を伝い落ちる。
俺はその場から逃げ出したかった。
二人のそんな姿を見たくなかった。
目の前の現実を認めたくなかった。
けれど体が動かない。
動けない。
まるで石になってしまったかのよう…。
でも心とは裏腹に、体は勝手に反応し、うずき始める。
キュロットスカートの中に手を潜り込ませ、直接そこに触れてみる。
ぐちゅ…
『あ…』
思わず上げそうになった喘ぎを、必死の想いで押さえ込む。
体から力が抜け、ペタリとその場に座り込む。
『こんな事って…』
ベッドの上で繰り広げられる行為に興奮している自分が許せない。
でも一度入ったスイッチは、もう元には戻せなかった。
重なり合う二つの影を覗きながら、胸を、股間を、俺はまさぐる。
段々息も荒くなる。
その時、真由美さんがベッドを降りて、こっちに近付いてきた。
『気付かれた…!?』
そう思った時には遅かった。
真由美さんは扉を開けた。