愛娘 23
「出してっ!膣内にたっぷり出してぇっ!!」
その緑さんの声に誘われ、私は思い切り射精してしまう。
それは私が発射したと言う感覚ではなく、吸い取られたと言う感覚・・・
下半身の力が抜けていくぐらいだった。
「これで・・・私は・・・和士くんのモノね・・・」
全ての力が抜け緑さんに覆い被さった私を受け止め、耳元で嬉しそうに囁く緑さん・・・
いや、違う・・・
モノにされたのは私の方だった。
次の日だった。
私は緑さんからホテルを指定されて向かった。
高級と言われるホテルの一室を指定され、私はその部屋をノックする。
扉が開き、この前と違ってフォーマルなドレス姿の緑さんが現れた。
「よく来てくれたわね!入って」
ドレスに身を包んだ緑さんの美しさにドキリとするが、これはまだ入り口なのだ。
中に入った所で椅子に座ったドレス姿の美女がいた。
彼女の顔は知っている。
だが、私の知ってる彼女と、ここにいる彼女が結びつかないのだ。
まるで女優かと言うような圧倒的な美・・・
私はその美しさと華やかさに圧倒されるばかりだった。
「お久しぶりね」
彼女と会うのは4年ぶりだろう。
たが、4年前より歳を経ながら、更に美しさを増している。
いや、これは彼女に似た別人だろうと言う変わり具合だ。
「あ、ああ・・・久しぶりだね」
言葉に詰まる。
知ってる筈なのに知らない人のようだった。
これが、私の元妻だった碧とは・・・
「ごめんなさい・・・お姉ちゃんが馬鹿な事言ったみたいで」
後ろで緑さんが馬鹿とは何よと言っているが、碧はそうやって頭を下げる。
「お姉ちゃんが言う通りにヨリを戻せば、和士くんが苦しむだけだわ・・・むしろ、ご主人様に捨てられる私達が転落する様を見る方が溜飲が下がると思うの」
彼女の言いたい事は分かる。
だが、それが望みかと言われれば違う。
「惚れていた女が不幸になればいいと思う程、安い男じゃないつもりだけどな」
「そう・・・でも、あなたをまた苦しめる事になるわよ」
そう言うのは彼女の情なのだろう。
別れ際の『あなたの事は好きだけど、ご主人様が絶対なの』と言った彼女の言葉が思い出されて心にまた刺さった。
つまり、捨てられてもまだ気持ちは奴にあると言う事なのだろう。
それはそうかもしれない・・・
奴の女になった事で碧はここまで綺麗になったのだ。
私は逆に、彼女をここまで綺麗にしてやれなかった。
「璃空は元気にしているか?」
「ええ、元気よ・・・ただまだあなたとは会えないって」
璃空の話題を出してみるとそんな答えに。
最後に残した映像からも私を裏切った気持ちが強いのからかもしれない。
と言うか、まず碧との関係がどうにかならないと璃空が私の前に出てこない気もしていた。
「あの子も私同様、ご主人様に女として綺麗にして貰えたわ」
その言葉に男としてのプライドがチクリと痛む。
それが分かっているから碧も私の元に戻るのは躊躇しているのだろう。
緑さんの方が打算的なのは、奴との関係性の違いかもしれない。
「私は・・・お前達が帰ってきてくれるなら・・・苦しみも受け入れられる」
「私は・・・あなたを苦しませたくないわ」
彼女の情が嬉しい。
と同時に悲しくもある。
「碧」
妻に近づきその頬を優しく撫でる。
こちらとあまり視線を合わせたくないのだろうが、仕方なく向けてきた視線は、あの夏祭りの夜となんとなく一緒だなと感じた。それにドキリとさせられる。
「私は、今もお前を愛しているんだ。それは変わらない」
「…………不器用なのは今も変わらないのね……………でも、私も、大好きよ」
そこから悲しそうな顔をする碧。
その顔が美しくてドキリとする。
「でも・・・私の一番はご主人様」
悲しそうな笑顔は心に響くぐらい綺麗だった。
「あなたの事が大好きだけど・・・ご主人様に来いって言われたら喜んで行くわ」
そう言って笑う碧。
そして少しため息混じりで言う。
「私とあなたの復縁を思いついたのは御当主様・・・」
それは緑さんからも聞いた。
確かに私にデメリットの無い話だが、奴の父親で上級国民らしい人の心の分からない奴だと思った。
「ご主人様も最終的には納得されたけど・・・あなたに敗北感や絶望感を味合わせたいんだって」
逆恨みなのか・・・
反撃すれば私の方が身の破滅なのが歯痒い。
今でも私と居た時より数倍綺麗な碧が私より奴が好きな時点で敗北感を感じている。
だが、それでも・・・
「ベッドに行きましょう・・・ご主人様に仕込んで頂いたものを見せるわ」
私の手を引き誘う碧。
敗北感を感じながらも、私の股間に熱が集まってくるのが自分でもハッキリ感じれたのだった。