愛娘 1
「お帰り、パパ」
「ただいま」
夜7時半、職場から家に帰って出迎えてくれるのは13歳の娘・蒼空(そら)。
「お姉ちゃんが晩御飯作ってる、もうすぐできるから」
「いつもありがとうな」
スーツを脱がして持っていってくれようとする蒼空の頭を優しく撫でる。
キッチンではもう一人の娘、15歳の璃空(りく)が夕食を作っている。とてもいい匂いが漂ってくる。
妻と離婚して3年、私は2人の娘と一緒に暮らしている。
最近、2人とも別れた妻にとてもよく似てきたと感じるようになった。
蒼空にスーツとカバンを預け、璃空のいるキッチンへ。
「お帰り、パパ。もうすぐできるからね」
「今日もいい匂いだな」
「今夜はパパの大好きなメニューだからねっ」
可愛い娘の作る料理ならなんだって大好きだ。
それにしても、今身に着けてるのは妻のエプロン。
見た目も身体つきも、妻そっくりになってきた。
夕食は娘2人と一緒に取る。
私が残業で帰りが遅くても、2人とも待っていてくれる。
帰りが遅いときはたいていメールで先に伝えて、「後であっためておくから先に風呂入って寝てていいぞ」と言っても、寝ずに待っていてくれる。本当によくできた娘なのだ。そのしっかりした性格も、実に妻そっくりなのだが…
そして今日の夕食も美味しい。
私が美味しそうに食べるのを見て、2人とも笑顔でいてくれる。この時間が幸せだ。
「お風呂も沸いてるから、パパが一番で入ってね」
「ありがとうな」
娘たちの言葉に素直に甘え夕食を美味しくいただいた後は風呂に向かう。
食器は蒼空が洗ってくれるようだ。
湯加減もちょうどいい。
本当に何でもよくやってくれる娘たちだ。
「パパ、背中流してあげる」
「えっ」
身体を洗おうとした瞬間、璃空が風呂場のドアを開けて入ってきた。
「別に構わないよ、一人で洗えるから」
「遠慮しないで。私がしたいの」
シャワーの前には全身を映し出すことができる鏡がある。
当然ながら、今の璃空は全裸だ。
最近別れた妻に似てきただけあって、その身体は年齢以上に豊満に見えた。
「それじゃ、頼むよ」
娘の願いを無下に断るわけにもいかない。
とりあえず璃空の好きなようにさせた。