僕とママ 11
……バフッ
「わわっ…?」
ママがまたまた右側に寝返って、僕は小さな悲鳴をあげながら、掛けようとしたタオルケットごと、ママに抱き締められて倒れてしまった。
裸の僕。
そして、眠ってるママ。
さっきから、リビングのなかではとっくに二人っきりだったけれど、今は一緒に頭から同じタオルケットをかぶって、今まで以上に二人きりだということを思い知らされる。
互いの顔が、吐息が、匂いが。
それから、やわらかさと、あたたかさが。
この狭いリビングの、さらに狭い空間いっぱいに満ちているんだ。
鼻の先が触れ合って、僕とママのどっちかがちょっとでも動いたら、きっとキスしてしまいそうだ。
あんなに間近に見たいと思っていたママの胸が、僕の薄っぺらな胸に押し当てられてつぶれてしまってる。
事故とはいえ、ママに抱き締めてもらってるんだ。
僕とママ。
ふたりだけしかいない、狭い世界だけど。
…夢みたいな気分だ。
だけど。
なごりおしいけど、出なきゃな。
死んじゃったパパに、怒られちゃうし。
そう言い聞かせるように、僕が身をよじったときだ。
「…んあっ……アンッ」
熱いため息が、僕の顔にふりかかった。
(あ…?)
と同時に、小粒な感触が、ママと僕の胸の間にあるのが感じられたのだった。
(…ま、ママの………ママの、ち、乳首?)
温かいグミキャンディーみたいな感触の物が、2つ並んで僕たちのあいだに息づいているのだった。
いや、それだけじゃないんだけど。
もうひとつの物は、もっと熱く、固くなって、ママのお股の辺りに押し当てられるようにされながら脈打っているんだから。
考えただけで、僕の呼吸はどんどん荒くなっていく…。
…だ、だめだ。
ダメなのに。
(ごめんなさい、パパ)
(僕はあなたの奥さんが好き過ぎて、我慢できません)
僕は心でそうつぶやきながら、眠るママの両肩に、そっと手をかけた。
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わたしの身体はもう、かつて無いくらい熱くたぎってしまっていました。
息子が震える指でわたしの肩に触れ、ついに唇を重ねてきた時には、確かめなくてもわかるほど、わたしの中心部は、息子自身を迎え入れたいと精一杯の想いをあふれさせていたんだから。
一生懸命に呼吸を止めて、じっと触れ合うだけのキスをする息子を、思わず抱き締め返してしまいたくなる。
こちらから顔を寄せて、激しくキスに応じてしまいたくなる。
でもわたしはじっと、眠ったふりを続けるのだ。
長い、しかし幸せなキスが、終わった。
でもそれは、より幸せな時間の始まりでしかありません。
(…あっ)
…息子の指先が、肩に引っ掛かったマキシワンピースの肩ヒモをそっと、滑り落とし始めたからだ。
(ああ…ゆうちゃん)
ついに両方のお乳が、一緒にお風呂に入っていたとき以来、数年ぶりに裕樹の目の前にあらわにされたのだった。
……拷問という名のゲームが、始まった。
思うままにわたしに触れてくる息子の指先に喜びを感じながら、わたしは眠っていなければならないからだ。
時々眉間にシワを寄せてしまったり、ため息が出そうになる。
でもわたしは、唇を噛み締めることさえしないで反応したい欲求を押さえつける。
しぜん、自由に気持ちを表せるのは、息子には伝わりようの無い、下着の奥だけに限定されてしまう…。
そこももう、あふれて、とまらない。
思わず両ひざをよじりあわせると、ちょうどその辺りに押し当てられている裕樹自身のそれを、わたしの太ももで刺激してしまうことになる。
そのたびに裕樹、ビクン、ビクンと反応して、すでにヌルついた先端をさらに押し付けてくる。
(あっ…やだ、わたしったら)
こんこんと湧き水をたくわえていたわたしの小さな泉が、ついに。
その温かい液体が、泉の堤防を決壊させてしまったのです…。
でも、もう、そんなことを気にかけているわけにいかなくなりました。
指先だけでわたしの乳首をいじめるのに物足りなくなった息子の唇が、ついにそこにおおいかぶさってきたからだ。
ああ…。
ゆうちゃん。
嬉しいよ。
ママこんなに、キモチいいの、初めてだよ?
ゆうちゃん……。
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