父と息子 3
「ま…まぁな…」
確かに、随分とご無沙汰だった…
日々、子育てと仕事に追われ、浮かれ気分になって女と付き合う時間も、そして金の余裕も無かった。
「やりたくなったりしないの?…」
(こ、こいつ…)
痛いところを突かれた…
久しくヤッテないとはいえ迅も36の男盛り、夜毎、人肌恋しく無い訳は無かった。
「“やりたくなったり”って、お前・・・意味分かって言ってんのかぁよ?」
迅は話しを逸らせた。
いくら毛が生え初めてたとはいえ、まだ11歳の少年。
そんなガキに、自分の性生活の鬱憤を語ったところで、雲を掴むような話しだろうと思った。
「うん。ヤルって、硬くなったチ○チン…女のおマ○コに入れることでしょ?」
迅は眼を見開いた…
あまりに露骨な涼のその物言いに、戸惑いを覚えざるおえなかった。
「・・・・…、あ、ああ…ダイレクトに言うとそうだが…」
「セッ○スってそう言うもんでしょ?」
天真爛漫に言う、そんな涼に違和感を覚えた。
「それは違うぞ、涼。」
「え、違うの?」
「ああ、違う。そこに何らかの感情を抱かないと、それはただの交尾に過ぎない、セック○とは言わないんだ」
「交尾?」
「動物と変わらないってことだ。人間だけに許された言葉が『セック○』なんだ」
「へぇーそれってどんな感情?」
「優しい気持ちかな?・・この人とヤリたいって気持ちが一番大切なんだ。
だから、風俗とかで抜いた後は、後ろめたい気分に陥るさ・・」
「へぇ〜父さん、そういうとこ行くんだ・・・」
(アチャーーー。。。余計なこと言い過ぎた・・・)
いい気になり過ぎて口が滑った・・・
「まあ、父さんも男だからな、自分でも抜くし、そういう所にも行ったことはあるさ。」
迅はこうなったら子供とは言えども涼も男、不自然に男の性を隠す方が、涼の為にはならないと思った。
「へぇー大人になるって大変だね・・」
「まあ、そういった意味では大変かもしれないな・・」
「なんか、大人になるのが嫌になっちゃったな・・」
「おい!おい!それは違うぞ!・・女の人とヤルのは最高に気持ちいいもんなんだぞ!」
「でも父さん、そんなもんの為にお金使ってんだろ?」
「え"?!・・そんなには行ってないよ・・・風俗・・;」
「別にいいよ、そんな事。でもさ、僕のためにそのお金使ってくれない?」
「え?ああ・・分かった。今度からそんな所には行かないよ。」
「そうじゃないんだ。そう言うことじゃなくて・・」
「何?何か買って欲しいものとかあるのか?」
「う・うん。。。まあ、買うと言えばそうかもしれないけど・・」
「おい。遠慮しないで言ってみろ!ボーナス入ったから今は父さん金持ちだぞ」
「それじゃあ・・・」
「ん?」
「デリバリ嬢、呼んでよ!」
「・・・ゲェ@@;ヨヨ・・・お前・・・デ・デリバリ嬢って・・・」
「うん。デリバリ嬢。」
「ちょ、ちょっと待てよ。デリバリピザの間違いじゃ・・」
「ううん・・ヤラせてくれるお姉さん・・・」
「お!おい!ヤラせてくれるって。。。お前にはまだ早い!!」
迅は顔を火照らせ、声を荒げていた。
「いいか、男と言えども初体験はとっても大切なものなんだ、だからそんな簡単にプロ相手に捨てるもんじゃないんだ。」
「多いんでしょ?風俗で始めてヤル男って。」
「ま、まあ、そうではあるけど、それも考えた末に、勇気を振り絞っての選択ではある訳だ。
始めて行くのはえらく勇気がいるもんなんだ。」
「うん。分かった。」
「分かってくれたか?」
「うん。それじゃあ、僕は隠れて見てるよ♪」
「へ?」