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お義父さんは男の娘!
官能リレー小説 - 近親相姦

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お義父さんは男の娘! 15

彼女はアパートを借りて住んでいた。値段の安さがウリだが、お世辞にも綺麗とは言い難いボロさだった。

昼間、栄司が尋ねた時は留守だったので大家に訊いた所、夜遅くに帰って来る姿を見たそうだ。

栄司は一先ず持って来ていた仕事用のノートPCで時間が来るまで近所の喫茶店で時間潰しに次の会議用の書類作成に取り掛かる事にしたのだった。

日も落ち始めた頃、栄司は再びアパートの前まで来た。

大家の言っていた時間よりはまだ余裕があるが、万が一の事も考えて早めに出て来ていた。

しばらく、それでも喫茶店で過ごした時間に比べれば全然大した事はないが待つ。

数時間後。恵らしき人物の姿を発見した栄司は声を掛ける。

一目見た時、一瞬別人ではないかと栄司は自分の記憶を疑った。

普段化粧などろくにしない彼女が濃い厚化粧、更に大きく胸元の空いたこれまた普段の恵からは考えられない、キャバクラ嬢が着るような派手な赤いドレスの上に高そうな毛皮のコートを着ていた。

栄司は自分から声を掛けておきながらしばらく固まってしまったのだ。

『彼女が恵君本人だと知った時もまだ驚いていた。女性は化粧で変わるとは言うが、印象までもすっかり変わる程だとは思わなかったよ』

栄司は突然姿を消した理由を尋ねる為にもどこか落ち着ける場所で詳しく話をしたいと恵に願い出た。

恵は携帯電話を開いて時間を気にしたが、すぐに閉じ場所は自分が指定する事を条件に承諾した。

「そういえばあなた。恵とどこか落ち着ける場所へ行った所の話まだ聞いてなかったんだけど、どこに行ってたの?」

『前に君へ話したまんまだよ。彼女が指定したホテルでセッ――』

「あれは辻褄合わせる冗談じゃなかったんだ……はぁ」

『今になって幻滅したかね?』

「…もっと前からしてたわよ。けれども、あなたの悪い所も全部受け入れるって結婚する時に決めてたもの」

『君はいい妻だな。勿論女としても』

「女としては何位?」

『一位だ。君を超えた女は誰一人いない。あえて比べるなら恵君はいい勝負するとは思うがね』

「妻を比べるなんて言ったらてっちゃん怒るわよ」

『ハハッ、違いない』

そして、事後。

栄司は恵とテーブルで向かい合いながら自分達の前から姿を消した理由を尋ねる。

観念したように語り出す恵。

姿を消した理由は金の為だった。

彼女は夫の死によって自分が働かなければいけなくなった。だが専業主婦としての経験しかない恵が簡単に職につける筈もなく、パートで働いても収入はたかが知れている。まして今の家賃ではほとんど持っていかれてしまう。

そこで彼女は格安のアパートを探し、子供と一緒に引っ越す事を決めた。無論、ただ安いという理由だけではない。恵は自分の女としての武器を使ってお金を稼ぐ事を思いついていた。

実は恵が引越したアパートは職場の近くにあった。地理条件も決め手の要因になったのだ。

栄司は詳しく仕事の内容までは聞かなかった。何故ならば着ている衣装と帰宅時間、先ほどの情事で検討がついていた。貯めた金を生活費だけでなく復讐に使おうとしている事も。

だが、それならばなおのこと自分達に相談してくれなかったのか。言いづらかったのは百も承知だが、それでも何も言わずに去って行ったのは納得出来なかった。

恵は栄司の表情で察知したのか、にっこりと笑みを浮かべてこう言った。

『巻き込めないよ。だって、栄君と響は私の大切な人達だもん…巻き込むわけにはいかないの』

『君一人で綾小路家の連中と戦うのは無理だ!綾小路家のトップ――私の両親は目的の為には死すらなんとも思わない冷徹な奴らなんだ!今回の件は奴らが企てたのは間違いない!』

『そうだね……私の夫だけでなく情報を教えてくれた人も死んじゃった。私一人じゃ返り討ちにあっちゃうかもね』

『そこまで分かっているなら何故ッ!』

『どんなに憎くても、許せなくても、栄君の家族だよ。息子が両親に復讐なんて駄目。そんなの何よりも家族を想ったあの人が悲しむから……!』

『恵君…君は…』

恵はただ夫の復讐の為だけに去っただけではなかった。

家族を巻き込みたくない。

家族を憎み合わせたくない。

全ては夫の鉄雄が望んだ家族への並みならぬ想いの為から。栄司は誤解をしていたのだ。

しかし、状況は彼女が言うように一人でどうにか出来る領域を完全に超えているのも事実だ。

『君の考えは分かった。しかしてっちゃんの名を出すならば、なおのこと君一人に背負わせるわけにはいかない』

『栄君…』

『友として、家族として君の手助けをしよう。綾小路家は私にとっても立ち向かうべき問題なんだ。君に譲れぬものが有るようにね』

栄司は恵に協力する事を誓う。それと証拠の収集と時が来るまでそれぞれ行動を起こさない事も約束させた。

しかし、綾小路家と戦うにあたって栄司には気がかりな事があった。

それは自分の家族。妻の響と娘の奏の存在だ。

死人を出しても目的を遂行する彼等の凶行に家族を巻き込んでしまうのではないか。綾小路の血が流れている奏も必ずしも安全だとは言い難い。

失ってからでは何も取り戻せない。更に情報収集、及び綾小路の詳しい内情調査の為には一度本家に戻る必要があった。

栄司は即刻に決断を下す。守る為に響と離婚する事を。

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