お義父さんは男の娘! 18
響は晶を凝視するが、起きた様子は無い。
(ただの寝言?……あ。このままじゃ風邪引いちゃうわよね。タオルケットでも掛けてあげよっと)
気のせいだと思って一旦はその場から立ち去ろうと思った響だったが。
「ダメぇ……そんな大きなバ○ブ……お尻に挿入らないよぅ………やぁぁ……むにゃむにゃ」
(って、違う!これはただの寝言じゃない!奏に夢の中まで調教されてるんだわ!!)
晶の寝言は自分の娘が原因によるものだった。
(まさか夢の中まで晶君にべったりなんて……これも彼の可愛さが成せる技ね)
明らかに異常だがそうとは思わない響。
(これじゃあ、子供が産まれたらどっちがお母さんか分からないんじゃないかしら…)
響の脳内では晶をママと呼んで甘える子供の姿が容易に想像出来た。
(まあ晶君可愛いから別にいいんだけどね)
まさに奏の母と言える発言だった。
その後、響は部屋からタオルケットを持って来て二人に掛けた。
(二人は大丈夫よ。だからあなたも……ね?)
今はまだ会えない夫の無事を静かに祈るのだった――。
―翌日。
緊急ニュースで綾小路家の会長夫妻がこれまで隠蔽して来た不正の数々が公表。数日後には起訴された。
警察は余罪を追求し、中でも二人が関わった可能性の高い某商事社員の転落事故と、同時期の社員の海への投身自殺の件で二人を殺人罪でも起訴する方針との事だ。
マスコミはこぞって綾小路グループの悪評を書き立てた。
綾小路グループ全体の株価は急。綾小路家は没落――かと思われたが新しく会長に就任した綾小路栄司の手腕で、僅か二年足らずで元の値まで回復した。
マスコミはこの手腕を評価せず、綾小路栄司による業績回復は綾小路元会長夫妻が描いた出来レースだと非難した。
警察はすぐさま捜査を開始。
だが、明らかになったのは綾小路栄司の身の潔白と、社員二人の死亡事件を当時のマスコミが綾小路元会長夫妻から買収され事実の早期隠蔽の為に情報操作を行ったという確かな事実だった。
各報道機関はこの件で世間から一斉のバッシングを受け、逆にこれまでの行われた事実工作の追求で連日のように起訴される毎日。
政治の解散選挙同様に、新体制による世間からの信用回復を余儀なくされた。
例えだが一つの巨木(綾小路家)を揺らしたおかげで巨木の樹液にたかる虫(マスコミ)を落とす事に成功したと、ある政治家は語った。
その後、綾小路栄司は離婚した妻と再婚。会長職も株価回復と共に新体制に委任し森の奥深くに屋敷を立てて静かに暮らしている。
噂では美人な娘、引き取った可愛い女の子?と未亡人な使用人も含め五人で暮らしているとの事だが、マスコミの取材は永久にNGとの事で真偽は未だに不明だ――。
終わり。
どうも、四式です。
初投稿でしたので無事に完結出来るか不安でしたが、なんとか終われました。
性描写をもっと書けたら良かったのですが、初投稿でして会話の部分や話に力を入れてしまいました。
沢山の官能を期待した人には残念な内容だったと作者自身痛感しています。タイトルの男の娘もあまり生かしきれませんでしたし……上げればキリがありません。
それでもここまで読んで、更には投票までしてくださった皆様には本当に感謝しております。おかげで、日々の更新も勝手ながらやる気が出ました。
次回作はどうするかはまだ未定ですが、今回のよりは長めにしようと思っています。
最後になりますが読んで下さった皆さん、本当にありがとうございました!