姉、僕、妹、妹 69
「それにしてもよく食べるね……」
と僕は呟いた。
「アンタは食べないからそんなにやせて貧相なのよ。」
「舞お姉ちゃんそれは違うよぉ。お兄ちゃんは運動しないからだよぉ。」
「茜お姉ちゃんの〜言ってることも当たってるね〜。」
「……僕は…両方の様な気がする……」
「じゃ〜はい。これお兄ちゃんの分〜。」
沙耶が何枚かお湯をくぐらせた肉を僕の皿に入れた。
「沙耶……」
「これは食べなきゃだめ〜。」
「…はいはい。」
「二度返事しないの〜。」
「あらあら…」
お姉ちゃんは優しく笑っていた。
「お兄ちゃん、それ取ってぇ。」
「ん?ああ、薬味か。」
「今度はぁ…ネギ入れてみよ〜。」
「茜お姉ちゃ〜ん、ポン酢もちょっと足したら〜?」
「そうだねぇ。」
僕はとりあえず沙耶からもらった(皿に入れられた?)肉を食べよう。
「もうちょっとお肉出すわね。」
お姉ちゃんが席を立った。
「美味しいねぇ。」
「今日は茜の誕生日だから僕もお姉ちゃんもちょっと奮発したんだよ。」
「沙耶のときも〜どんなになるか〜楽しみ〜。」
「そうね。はい、お肉のお代わり。」
お姉ちゃんが再び席についた。
「僕はそろそろ……」
「アンタはもう食べないの?」
「舞お姉ちゃん、お兄ちゃんにしては食べた方だよぉ。」
「そ〜だよ〜。もう勘弁してあげたら〜?」
「そうね。」
「茜、沙耶、ありがとう。」
「お湯注ししようか。」
お姉ちゃんが鍋にお湯を注ぎ足した。
「あ、確か麺も買ってきたよね。」
この調子だと茜と沙耶のお腹にはまだ余裕があると感じ、何度も肉や野菜をくぐらせたお湯に最後、麺を入れみてはどうかと思ったのだ。
「わぁ凄ぉい。」
「やった〜。お店みたい〜。」
二人が喜んだのでお姉ちゃんと僕はそれなりに満足した。
恒例の「ロウソクふ〜」も終わり夕食を片づけた。
「ねえお兄ちゃん、今日はぁ私と二人で寝てぇ。」
「う〜ん……」
「可愛い妹への誕生日プレゼントだと思ってぇ。」
「プレゼントあげたのに……」
「お兄ちゃんにしかぁもらえないプレゼントが欲しいのぉ。」
「じゃ〜明日〜沙耶にもして〜。今日は〜茜お姉ちゃんに譲るから〜。」
「また僕を物みたいに……」
3人でそんなことを言っていると
「昨日は我慢してもらったんだから今夜と明日はちゃんと相手してあげなさい。」
お姉ちゃんの一言で大勢は決した。