姉、僕、妹、妹 51
「はぁ〜終わった……」
「お疲れ様。」
「じゃあまた明日頑張ろうな。」
「そうだね。お疲れ。」
大道具など舞台背景に使ったものを簡単に片づけた。
「じゃあまた明日。」
「あぁ、お疲れ。」
僕は視聴覚室を出た。
「お兄ちゃんお疲れ様〜。」
「ありがとう。」
「あれぇ?ヒゲは取らないのぉ?」
「あ、そうだった。」
ヒゲを外すのを忘れていた。何でクラスのやつらは誰も何も言わなかったんだ?
「4時半までまだ時間があるね。」
「どっか行くのぉ?」
「先に体育館に行って〜場所取っとこうよ〜。」
「それは名案だ。」
というわけで先に体育館に行った。そのときはエイサーをやっていた。
「これ何〜?」
「終わってから説明するよ。」
僕らはそっと歩き前の方の席を確保した。
『島唄よ風に乗り〜鳥と共に〜海を渡れ〜。島唄よ風に乗り〜届けておくれ〜私の愛を〜。』
既にエイサーは終盤に入っていたようだ。
「ありがとうございました〜。」
「さっきの何〜?」
「沖縄の伝統芸能だよ。」
「ふ〜ん。」
「続きましては『サトウキビ畑』です。」
「ざわわ ざわわ ざわわ。広いサトウキビ畑は……」
沖縄オムニバスが続いた。
「以上で『沖縄オムニバス』は終了いたします。本日はご来場ありがとうございました。」
ぞろぞろと人が出て行く。この機を狙って見やすそうな席を確保した。
「お知らせいたします。続きまして3年生のSTOMPです。暫くお待ちください。」
「ねえねえ、舞お姉ちゃん何やるのかなぁ?」
「さて……あんまりクラスのは本気になってなかったからね。裏方かも。」
「え〜それはつまんないな〜。」
「それを僕に言われてもね。」
「ねえ、そもそもストンプって何?」
「ボディーパーカッションみたいなやつだよ。」
「え〜ドラム缶とかを叩くやつじゃないの〜?」
「それも入るけど、元々の起源はボディーパーカッションだよ。さて、どんな内容か楽しみだね。」
「タップダンスみたいのぉ」
「茜お姉ちゃんが言うのも入るよ〜。でも〜デッキブラシとか〜タライとか〜……」
「まもなく開演です。」
「あ、そろそろだね〜。見たらわかるよ〜。」