姉、僕、妹、妹 48
「面白かったぁ。」
「喜んでもらえてよかったよ。」
「あ〜そろそろ舞お姉ちゃんの演劇見に行こ〜。」
「そうだね。」
僕らは体育館に向かった。
『10時より演劇部の公演です。開場まで今暫くお待ちください。』
「開場は9時50分、開演が10時だってさ。」
「題目は〜『ロミオとジュリエット』だよ〜。」
「沙耶良く調べてあるねぇ。」
「感心感心。」
「ジュリエット!」
「あぁロミオ、貴方はどうしてロミオなの?」
「うわぁ……」
「流石舞お姉ちゃんだね〜。」
「演劇部全体のレベルが高いんだよ。」
「ふぅん。」
「そっか〜。」
演劇を終えると10時半に近づいている。
「あ、お姉ちゃんお疲れ様。」
「これからはアンタの第二公演ね。」
「その間に二人を案内してあげてよ。」
「え〜もう一回みたい〜。」
「内容は変わらないよ。」
「それでもぉ。」
「う〜ん……」
「良いんじゃない?私は演劇の準備で見てなかったし。」
「二回目も一回目同様平常心で行くわよ。」
「はいっ。」
幕が上がった。
「行きますよ。」
僕はタクトを振り上げ
パラパパパパ〜
二回目の演奏が始まった。
ジャジャジャジャジャン ジャン ジャァ〜ン!!
幕が降りた。
「率直に言って指揮者の講評は?」
「……申し上げにくいのですが……最初の方が良かったかと。」
「そうね。」
「特に『私のお気に入り』で金管が引きずって行く感じが出てしまいましたね。」
「次回以降の課題ね。」
「はい。あの……僕もそういう振り方になっていましたか?」
「そうでもないと思うけど、後でビデオを見てみましょう。」
「そうですね。分かりました。」
そして
「じゃあとりあえず吹奏楽部の公演はこれで終わり。楽器は控え室に置いて良いそうよ。明日も頑張りましょう。とりあえず今日はお疲れ様。」
と部長が締めた。
体育館の外でお姉ちゃん、茜、沙耶と合流。
「お昼食べに行く?」
「今が〜一番混んでる時間帯だよね〜。」
「沙耶と同じ意見。私もそう思うよぉ。」
「そうね……じゃあ一日中交代でやってるロック部の演奏でも聴く?」
「私は賛成。」
「沙耶も〜。」
「じゃあ僕も。」
というわけでロック部が演奏している中庭の特設ステージに向かった。