姉、僕、妹、妹 45
「呼んできたわよ。」
「沙耶ぁもう出来たのぉ?」
「茜ちょっと疲れてる?」
「お兄ちゃん鋭いなぁ。」
「やっぱりそう?私もそう思ったのよ。」
「お姉ちゃんにはかなわないな。」
「あらあら。いずれにしても無理しすぎないでね。」
「はぁい。」
「座って〜。今日は特性ハンバーグだよ〜。」
沙耶は大根おろしをかけ、その上に大葉をのせたハンバーグを持って来た。
「これにめんつゆかけるんだよ〜。量は適当に調節して〜。」
「このくらいかなぁ?早速頂くねぇ。」
「どう〜?美味しい〜?」
「美味しいよぉ。」
「やった〜。お兄ちゃんは?」
「最高。タマネギが入ってるのが特に良いよ。」
「気づいてくれたんだ〜。舞お姉ちゃんは?」
「文句なしよ。これからは沙耶にお夕飯の用意任せようかしら?」
「それは無理だよ〜。」
「あら?このコンソメスープはどうやって作ったの?」
「え〜適当〜。スープの元入れて〜冷凍庫にあった野菜を刻んで入れただけだよ〜。」
「それにしては上出来ね。」
「私もそう思うよぉ。」
「沙耶の『愛情』じゃない?」
「お兄ちゃん嬉しい事言ってくれるね〜。」
「じゃあ〜そろそろデザート出すね〜。」
沙耶が出したのはコーヒーゼリーだ。
「あら?これも買ってきたの?」
「そうだよ〜。ちゃんと予算内に収まったよ〜。」
「そう。なかなか頑張ったわね。」
「へへ〜。すごいでしょ?」
沙耶は得意そうな顔をした。
「そろそろ片付けるわね。」
お姉ちゃんが立ち上がった。
「ねぇ明日文化祭でしょぉ?」
「そうだよ。」
「沙耶と一緒に遊びに行って良い?」
「いいけど案内できないかもよ。」
「何でぇ?」
「僕は朝一番からコンサートがあるし、お姉ちゃんも10時から演劇があるから。クラスの出し物もやらなきゃいけないし。」
「じゃあ勝手に歩き回ってるから手が空いたらメールしてよぉ。」
「うん。分かった。」
いよいよ明日は文化祭だ。
「舞お姉ちゃん頑張ってね〜。」
と沙耶が言った。お姉ちゃんは洗い物をしながら振り返り
「ありがと。」
と沙耶に向かって笑顔を見せた。続けて
「あ、そろそろお風呂が沸くわよ。」
と言った。すると茜が
「先に入って良いかなぁ?」
と言う。
「良いよ。」
「じゃあお先にぃ。」
茜はバスローブを取りに部屋へ向かった。
「お兄ちゃ〜んコンサートはどこでやるの〜?」
「体育館だよ。」
「舞お姉ちゃんの劇は〜?」
「それも体育館よ。」
「ふ〜ん。」
沙耶は明日の時刻予定表を作っていた。