姉、僕、妹、妹 27
「ただいま〜。」
「ただいま。」
「お帰りぃ。」
「あら、お疲れ様。」
ふと見るとアイロンがブラウスの上に置きっ放しになっている。
「あ〜アイロン〜!」
と沙耶が叫んだ。
「あっ!私だ。」
茜が駆けていってアイロンを退かした。幸いこげたり跡がついたりはしていない様だ。
「まあまあ……まだ不安ね。」
お姉ちゃんは呆れた様に言った。
一休みして夕食の買い物だ。今日はお姉ちゃんが夕食を作る。
「舞お姉ちゃんが夕食作る日ってドキドキだねぇ。」
「ホント〜。舞お姉ちゃんは〜いっつも驚く様なの〜作ってくれるから〜。」
「あんまりプレッシャーかけないでほしいわ。」
「何を買って来れば良い?」
「ハイ。これ。」
メモを渡された。
「私も付いて行くぅ。」
茜が出てきた。
「じゃあ行ってきます。」
「行ってきまぁす。」
「う〜ん……ひき肉、玉ねぎ、キャベツ、ブロッコリー……フランスパン……何だろう?」
「ロールキャベツかなぁ?」
「あるいはハンバーグ?」
「そんなとこだねぇ。」
買い物は続く。
「コーヒー粉か。よく見てるなぁ。」
「流石舞お姉ちゃんだねぇ。」
「うん。」
「え〜と買い忘れはないかな?」
「大丈夫だよぉ。確認したからぁ。」
「じゃあレジに行こうか。」
「ただいまぁ。」
「ただいま。」
「お帰り〜。持ってあげるね〜。」
沙耶が食材を持って行った。
「私は勉強の続きやるねぇ。」
「えらいえらい。でも頑張り過ぎるなよ。」
「ありがとぉ。」
「さてと……」
僕は風呂掃除に取り掛かった。
「お兄ちゃ〜ん。」
「ん?沙耶、如何した?」
「終わったら沙耶のお部屋に来て〜。」
「はいはい。」
「返事は一回〜。」
「はい。」
僕は苦笑しながらそう言い風呂掃除を手早く済ませた。
コンコン
「入って良いか?」
「良いよ〜。」
ガチャ
「何の用で僕を呼んだのかな?」