「ただいま。」
「お兄ちゃんお帰り〜。」
「お帰りなさぁい。」
「遅くなってごめんね。すぐ作るから。」
「焦らなくて良いよぉ。」
「まだ大丈夫〜。」
「ありがとう。」
僕は既に下ごしらえを終えていたカレーにルウを入れ温めた。
「あら、お疲れ様。そのくらい言ってくれれば良かったのに。」
「お姉ちゃんありがとう。でも良いよ。仕事は交代でしなきゃ。あ、そろそろ茜と沙耶を呼んできて」
「ええ。わかったわ。」
お姉ちゃんは二人を呼びに行った。
「もう盛りつけられるかな？」
僕は火を小さくし、さらにご飯を盛った。炊飯器にタイマーがある点は非常にありがたい。
「呼んできたわ。」
「もうできたのぉ？」
「早〜い。」
「下ごしらえは終わってたからね。今日はキーマカレーだよ。」
「あんまりとろみがないね〜。」
「ホントだぁ。具もちっちゃく切ってあるぅ。」
「そのほうが美味しいのよ。」
お姉ちゃんが福神漬を添えながら言ってくれた。僕は
「さて、頂こうか。」
と言い席についた。
「じゃあ頂くわね。」
「頂きまぁす。」
「沙耶も〜。」
「省略しない！」
「は〜い。いただきま〜す。」
全員がスプーンを取った。
今日のメニューは
・キーマカレー
・大根とレタスのサラダ
である。
「美味し〜い。」
「おかわりぃ。」
「茜、早わね。」
「だめぇ？」
「僕は成長期だから良いと思うよ。」
茜のお代わりを皿に入れていると
「沙耶も〜おかわり〜。」
「丁度良かった。貸して。」
「は〜い。」
「よく食べるわね。」
「作った側としては嬉しいよ。」
「それが分ってるなら、私が作ったときにアンタはもっと食べなさいよ。」
お姉ちゃんがちょっと意地悪な笑みを見せた。
「ごめんなさい……」
僕はお姉ちゃんに謝った。すると
「またぁ舞お姉ちゃんはぁお兄ちゃんを苛めるぅ。」
「お兄ちゃ〜ん、沙耶はず〜っとお兄ちゃんの味方だからね〜。」
茜と沙耶がフォローしてくれた。
「あらあら…」
「ちゃんと謝んなきゃだめだよぉ。」
「茜、良いよ。お姉ちゃんも悪気があったわけじゃないだろうし。」
「優しすぎるよ〜。後で〜舞お姉ちゃんに〜何されるかわかんないから〜怖いんでしょ〜。」
沙耶の言っていることもあながち間違いではない。心の中にそういう気持ちがゼロだと言えば嘘になる。