姉、僕、妹、妹 179
今日の朝ごはんはお姉ちゃんが作る日だが、僕は早めに起き、沙耶と共にシャワーを浴びた。
「あら、早いわね。今日は私の当番よ。」
服を着替え、部屋に戻る途中でお姉ちゃんに言われた。
「シャワー浴びたんだ。」
「そう。朝ごはんこれから作るからちょっと待ってね。」
「うん。」
「あ、茜起こしてきて。」
「もう起こしちゃって良いの?」
「茜は受験生でしょ?休みの日が勝負よ。」
朝ごはんはオムレツと茹でウィンナー。そしてシリアルだ。
ザラザラザラ……
「あ〜又買ってこなきゃ〜。」
「沙耶はそれ好きだね。」
「私も甘いの好きだよぉ。」
「あらあら、今日買いに行ってきて頂戴。」
「じゃあ僕が行ってくるよ。」
「じゃ〜沙耶も付いてく〜。」
「そうだね。」
どの道沙耶に選ばせるから付いて来させるつもりだったのだ。
「ごちそうさまぁ。先に立つねぇ。」
茜はさっさと食事を終え自室に行った。
「茜お姉ちゃんは〜大変だね〜。」
「沙耶も来年は大変だよ。」
「大丈夫〜。推薦で行くも〜ん。」
「何の?」
「吹奏楽〜。」
「そういう方法もあるか……」
「お兄ちゃんの高校と〜合同コンサートしてるでしょ〜?あれで〜全国大会に〜入賞したら〜推薦資格満たすから〜。」
「だから勉強しなくていいわけじゃないよ。」
「分ってるよ〜。」
「ホラホラ、早く食べちゃいなさい。」
「は〜い。」
「ところでお姉ちゃん。」
「何かしら?」
「まだ、試験結果来ないの?」
「そうね。…でも指定校推薦で落ちた人なんか聞いたことないわ。」
「そうだね。」
「良いな〜。沙耶の中学校を〜お兄ちゃんの行ってる高校が〜指定校にしてくれないかな〜?」
沙耶が都合の良い願望を言った。
「ご馳走様。」
「じゃ〜沙耶が洗うね〜。」
沙耶は席を立ち流しに向かった。
「え〜と…そうそう。これ買い物リスト。お願いね。」
お姉ちゃんが僕に買い物リストを渡した。
「牛乳と…夕食のおかず?」
「夕飯はアンタの当番だから。」
「あ、そっか。」
「終わったよ〜。」
「じゃあ10時になったら買い物に行こう。」
「は〜い。じゃあお風呂掃除しちゃうね〜。」
僕は沙耶の背中を見送り、洗濯に取り掛かった。