姉、僕、妹、妹 174
そして10時50分には身支度も終えた。
「もう良いかしら?」
「沙耶は〜もう行けるよ〜。」
「僕も終えたよ。」
「私はちょっと勉強できたからぁ。」
「じゃあ行きましょう。公園にでも行く?」
「じゃあ僕もそれに乗ろうかな?」
「私もそれで異議なしぃ。」
「沙耶も〜。早く行こ〜。」
僕らは連れ立って公園へ向かった。
すると沙耶が
「ね〜舞お姉ちゃ〜ん、あそこにしよ〜。」
丁度日陰になっている場所を見つけた。
「そうね。」
お姉ちゃんは敷物を取り出し、
「こんな感じかしら?」
と敷物を広げた。
「さてと……さ、お弁当いただきましょう。」
お姉ちゃんはお弁当を広げた。
「いつもの事だけどお姉ちゃん凄いね。」
「私もそう思ったぁ。」
「沙耶も〜。もう食べて良い〜?」
「そうね。頂きましょう。」
「はいお兄ちゃん、あ〜んしてぇ。」
「沙耶がやる〜。」
「自分で食べるよ。」
サンドイッチにサラダ、エビフライにタコさんウィンナー、ミートボールに野菜の煮物と言うメニューだ。たった1時間でここまで作ったお姉ちゃんの手際の良さには感服した。
「あ〜美味しかった〜。」
「ありがと。茜も満足してくれた?」
「最高だよぉ。」
「僕も。」
「アンタは大して食べてないじゃない。」
「お兄ちゃんは〜いつもの事だよ〜。」
「沙耶、それは僕へのフォローになってないよ。」
「え〜?そ〜かな〜?」
そう言いながら誰からともなく仰向けになった。
「暫くこうやってぇ食休みするのも良いねぇ。」
茜が言った。
「そうね……」
お姉ちゃんはそう言い
「ん〜っ…はぁ〜。」
一つ大きく伸びをした。
「少し寝るね〜。」
「私もぉ。」
茜と沙耶は眼を閉じた。
「ふふふ。気持ち好いわね。」
お姉ちゃんは空を見上げたまま言った。
「そうだね。」
僕も空を見上げたまま応えた。
どれくらい経っただろうか不意に
「さ、起きて。」
お姉ちゃんが言った。
「ん〜……」
「えぅ……」
茜と沙耶は眼をこすりながら半身を起した。