未成年婚姻法 16
出産を終えたばかりの恵梨香に、
「だいぶつらそうだったみたいだけど。」
「大丈夫、楽になってきたから。」
「ご苦労様、今はゆっくり休んでよ。」
すると彩美と美咲が、
「予定より少し早く産まれたみたいね。」
「家の前で救急車が止まっているから心配したけど、良かった。」
純が生まれたばかりの息子を抱いて別の部屋へ向かうと、
「智樹さんと司さんも来ていたんですね。」
「名前はもう決めたのかい?」
「いえ、実はまだ…産まれるのもう少しあとだと思ってて…僕も恵梨香も。司さん智樹さんはどうやって決めましたか?」
「俺のところは美咲が決めた。自分の名前の『み』の音を残して、未来への希望、みたいな明るい感じを入れた」
「僕は、僕が考えてみる、と言って、考えてもよく分からなかったから、ネットの名前ジェネレーターみたいのを使った」
「それって、小説の登場人物の名前を作ったりするやつじゃないのか??」
司がちょっと驚いて智樹を見た。
数日後、
「退院、おめでとう。」
「名前はどうするの?」
「純が色々と考えてくれたのだけど、どれにするか迷っちゃって・・・」
彩美と美咲に名前が書かれている紙を見せると、
「そうね。これなんか良いと思うけど。」
純と恵梨香が病院から帰ってくると、純の父と母が、
「眠っているようだが、名前はもう決めているのか?」
「恵梨香は勇希が良いって言うけど・・・」
「純だって女の子っぽい名前だし、細かい事は気にしなくて良いのよ。」
勇希が生まれてしばらく経ったある日、
「勇希の事、義父さんや義母さんに任せて良かったかしら?」
「細かい事は気にしないって言っていたじゃないか。」
「そ、そうね。」
恵梨香は腹を触りながら、
「妊娠で弛んでしまったお腹、引き締めていかないと。」