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若妻たちの秘密
官能リレー小説 - 若奥さん

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若妻たちの秘密 23

蒔絵は特に出店で食べ物を買って食べたり、ゲームコーナーで何かをしたりするでもなく、ただ校舎内を見て回って歩くだけ…美桜はそれを隣で不思議そうに見ている。

「…蒔絵さん、何もしないんです?」
「なんかね、こうやってブラブラ回ってるだけで楽しいなって思っちゃうよ」
「まあ、確かに、懐かしい雰囲気はありますよね」
「美桜ちゃんはまだそんなに経ってないでしょ」
蒔絵はクスッと笑って美桜の肩を軽く叩いた。

2人が廊下を歩いていると、同じように並んで歩く男子生徒2人とすれ違う。

普段でもよくある学校内の光景だ。
しかし、彼らはそれがいつもとは違うことにすぐに気づいたのだ。

「なぁ、そこのお二人さん」

後ろから声をかけられ蒔絵と美桜は一瞬ドキッとする感覚に襲われた。

「どうしたの?」
蒔絵はあくまで平然と対応する。美桜も隣で表情は変えずに、彼らに向かって振り向く。

「やっぱり、おにぎりですよね?」
「いやいや、今だとドーナツでしょ」

二人の男子が急に話しかける。

「そんな模擬店ありました?」
「ごめんなさい、あまり詳しくなくて」

蒔絵と美桜は普通に反した。

「正直、この文化祭に興味ないです。企画が却下されたもので」
「俺も、昼寝の方が…おふぅ」
「何なんですか?」

蒔絵は思わず言い返す。メガネを掛けた一見真面目で知的なタイプと美形だが少しチャラついた二人の真意が読めない。

「申し遅れました、冬月律…コンビニのバイト店員で、ついでにここの生徒」
「星井光希、ちょっと無茶ぶりなアプローチで困ってる?りっさんがきっと幻の転校生だって」
「おっさんみたいに言うな」
「一緒に屋上でも、とか言う訳?」
「使われてない特別教室を勝手に使って楽しんでる」
「もしかして、コンビニで廃棄したもので」
「さすが、するどい」
「弁当だけじゃないぜ。飲み物もある。缶をへこませるんだ。これが結構コツがいる」
「ここに持ち込むのに百均でいろんな入れ物を用意してさ、ちょっとした密輸」
「あのね、女の子を誘うんなら、甘いモノとかお酒とか」
「あるんですよ、チープな模擬店と一緒にされちゃ困りますぜ。年齢確認ボタンも今日は忘れて」
「そうよね、大人らしく」

蒔絵と美桜は制服を着ているのも忘れ、酒があるというだけで二人について行く。

「物理実験室ね」
「つまんねー教科でさ、地学のほうが楽勝」
「化学の実験室なら、手が洗えたのに」
「あっちは割と厳重でさ、プロジェクターのある教室もDVD見れて良かったんだけど」

律と光希は大人びた女子が呼び込めたので、テンションが上がる。

蒔絵も美桜もそんな2人のノリの良さに少し気を許しつつあった。
律と光希は手際よく入れ物の中から食べ物と缶チューハイを取り出し机の上に並べていく。

「よく考えたよね」
「まあ、こういうことには頭が回るタイプでね」
「りっさん、まるで俺がバカみたいじゃないか」
「お前もその呼び方やめろよ」

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