JK『妻』のえっちな日常 42
「スキンシップ?!スキンシップで強姦されてたまるもんですか!」
「り、凛ちゃん。落ち着いて」
「落ち着け?!強姦された上に悪びれもせずヘラヘラされて落ち着ける訳ないでしょ!」
私のキレっぷりに流石に慌てるエレーナさん。しかし私は更にヒートアップする。
「兎に角!2度と私に」
「お姉ちゃん!」
途中で祐樹に遮られた。また、お姉ちゃん呼びになってる。
「今の話。どういう事?」
頭に血が上ってる私はハッキリと言った。
「私がダウンしているのをいい事に裸にして縛り上げた挙句、好き放題してくれたのよ、この人は!」
「う、嘘でしょ……」
愕然とする祐樹。しかし、私は止まらない。
「事実よ!私はこの人に強姦されたの!祐樹が栞とナターシャと楽しんでる時に、すぐ近くでね!」
「………」
「それに気付いたから、ナターシャが私に平謝りしてたのよ!栞も、祐樹と楽しんでた時に、私がそんな目にあってた事に気付いたから、ばつが悪そうにしてたのよ!」
「兎に角!2度と私に近づかないで下さい!旅行中も、絶対に必要な時以外は話しかけないで下さい!」
私はエレーナさんにそう言い放った。
「えっと、その……ゴメンね」
流石にこの空気には耐えかねたのか、神妙な表情で謝罪するエレーナさん。
「今更、謝罪は結構です。2度と私に関わらないで下さい」
エレーナさんに冷たく言い切った私は、更にナターシャに言った。
「ナターシャ。この人を今後一切、私に関わらせないで。謝罪、取り成しの仲介も一切無しよ。良いわね」
「………はい」
「事と次第によってはナターシャとも縁を切るし、祐樹との事も当然認めないからね。良いわね?」
「………はい」
流石に姉のしでかしたコトに対して、その妹の立場で私にどうこう言える筈も無く、力無く私の要求を飲んだ。
そして私は最早温泉を楽しめる筈も無いので足早に部屋に戻った。
1人部屋に戻る。
誰もいない真っ暗な部屋。
窓際のイスに座り、ため息をつく。
「…っ」
やってしまった。
確かにエレーナさんは苦手な人だ。
でもあそこまで言う必要あっただろうか?
ナターシャ、栞、それに祐樹…私の顔を見てどう思っただろう?
自己嫌悪。
そんな気持ちに苛まれて、涙が溢れてきた。
そんな時に携帯に1通のメール届いた。
崇人さんからだ。
『明日会えない?』
崇人さんには温泉に行くって言ってあったんだけどな?
私は部屋を出て、祐樹達と遭遇しなさそうな所へ行き電話をかけた。
「やあ、凛ちゃん」
「あの、私は旅行中なんですけど」
「知ってるよ。実は僕も来てるんだ」
「えっ?」
「流石に宿は違うけどね。で、明日は時間作れない?」
まあ、今日の事を口実にすれば別行動も出来なくは無いかな?祐樹と温泉を楽しみたかったけど………現状厳しいし。
「ええ…なんとか作ってみます。ダメだったらすいません」
「了解。じゃあもしOKなら待ち合わせは…」
…というわけで、崇人さんとの約束ができてしまった。
まさか、あの人までここにいるなんて。
だが、これでモヤモヤしたものが追い払えたかもしれない。崇人さんがいなかったら、この旅行中ずっとどんよりしていたかもしれないのだから…