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ヤンデレ妻日記
官能リレー小説 - 若奥さん

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ヤンデレ妻日記 7

俺は人妻の肩を抱いてキスをした。
「たまに自分が何をしてたかわからなくなるの。今の夫とは旅行中に知り合ったらしいんだけど、おぼえてないの。それでもいいって言うから、結婚したんだけど……」
人妻の旦那は女装癖があるゲイ、つまり、男の娘だった。男性が好きで、それを隠すのに結婚相手を探していた。
「受けなんだって。だからエッチとかしたがらないの。こっちに来て……」
そこは旦那の部屋だったが、ぬいぐるみが飾られ、カーテンもピンク、クローゼットにはフリルつきのコスプレの衣装のような服が並んでいる。
人妻は机の上のパソコンを起動して、旦那の生年月日のパスワードを入力した。
保存されている動画は、男の娘と男性がやらかしている作品ばかりである。
「こういう人だと、結婚してからわかったの」
「今日、俺が会ったあいつは知ってた?」
「たぶん。たしかにお金はある人だから生活は不自由はないんだけど。たぶん、私のことを好きになれないんだと思うの」
人妻には二人の人格があって、一人はさみしがり屋で、もう一人はボーイッシュなギャンブラー。
旦那は男の娘なわけだ。
とんでもない家に泥棒に入ってしまった。
はじめての泥棒でこんな家庭に当たる確率は、どれぐらいなんだろう。
人妻によれば多重人格は映画や小説などではたくさんいるが実際にはめずらしいそうだ。
旦那は女顔で、人妻とならんでいると姉妹のようにも見える。化粧がうますぎる。
言われなければわからない。
「この写真を撮ったのもおぼえてないの。携帯電話とかデジカメだと思うんだけど」
旦那のパソコンに保存されている画像の一枚。
「気になるのは、してるときにあいつになったりしないかってことかな」
「えっ、そこなの?」
人妻は涙目のまま、クスクスとやっと笑った。
パソコンに保存されている写真。
撮影場所はこの家のリビング。
ソファに背筋をまっすぐのばして腰を下ろしている女教師風のブラウスとスーツのメガネ美女は、女装した男の娘の旦那。
その隣でソファーにあぐらをかいて煙草をくわえて頭をかいているのは人妻だが、しぐさの雰囲気はまちがいなくボーイッシュなギャンブラーモードだ。
「もう一人の私って、どんな感じの人だった?」
この感じは知りたがっている雰囲気ではなく、すねている感じ。
自分だけおでかけに連れていってもらえなかった子供がすねたらこんな感じかもしれない。
(一緒にパチンコとかスロットをしたいわけじゃないよな……)
「ジャグラーってわかる?」
「お風呂?」
ジャグジーじゃないか、それは。
「俺、金ないけど、車をかしてくれるなら明日は一緒に出かけてみるか」
「運転できるの?」
「AT限定だけどな」
「うん、でも電車で行こうよ。へへっ、これってデートだよねー」
人妻が俺に抱きついてにこにこ顔で添い寝している。俺はすぐに眠くなった。
今日は初めて会った人妻の中の、もう一人の彼女に朝からふりまわされっぱなしで、なんか疲れた。

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