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ヤンデレ妻日記
官能リレー小説 - 若奥さん

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ヤンデレ妻日記 36

「もし本気でパートナーとの出会いをお望みなら、私は協力させていただきます」
橘さんはキッパリと言い切った。
もし有名な実業家がゲイであることをネタに騒がれたときには、その騒ぎに巻き込まれるかもしれない。それでも、協力すると橘さんは言っているのである。
「パートナーが見つかってその人と暮らしたいと思うかどうかは、まだわかりません。相手が気に入っても、佐倉さんがちがうと思うかもしれません。その逆もあるかもしれません。ただ、そういうパートナーが現れたとしたら、あなたはどうしたいですか?」
「もし、そうなったら、一緒に暮らしたくなるかもしれませんけど」
「もしも奥様が、パートナーと感じる人と出会っていたとして、その人と暮らしたいと願っていたら、いかがなさいますか?」
橘さん、うまい。
旦那は舞の顔を見つめた。
舞は俺の顔を見上げてにっこりと笑った。
「えっ、もしかして……」
「佐藤信一郎といいます。舞さんとおつきあいさせていただいている者です」
旦那、佐倉真は俺の顔を見つめた。
「橘先生、それで舞が離婚したいと言い出したわけなんですね……」
「離婚したとしても男性はすぐに再婚できますが、女性は半年間は再婚できませんけどね。あなたは舞さんを責められないですよ。結婚していてもパートナーを探しているのは同じですから。こちらを見ていただいてもよろしいですか?」
それは舞がパソコンに残されていたメールを印字した書類のコピーだった。
「舞、私のパソコンからメールを……」
「旦那ちゃん、彼氏はどうしたのかな?」
俺は人妻の肩に手を置いて囁いた。
「挑発するなよ。橘さんに任せよう」
ボーイッシュな舞は、わかったと言うように、うなずいた。
「よろしければ橘先生と二人で少しゆっくりお話したいですね。離婚するかについては今すぐはお答えできません。佐藤さん、舞のことはよろしくお願いします」
「旦那ちゃん、家にシンイチロウをしばらく泊めてもいいかな?」
「佐藤さんが嫌じゃなければ、泊まってもらってもかまいませんよ」
橘さんと佐倉真はホテルの部屋から出て行った。人妻と俺はホテルの部屋に残った。
「泊まっていい、とか言ったぞ」
「そういう人なの」
「俺には、いまいちわからない人だな」
エレベーターでキスされた。
誰でもいいぐらい、そばに舞がいるのに、孤独を感じて怯えているのか。
それとも、まさか。たぶん俺も緊張して考えがまとまらないだけだ。 
「お酒飲んだの?」
「少しだけだけどな」
「旦那ちゃんも飲んだ?」
「なんかオレンジのカクテル飲んでたな」
「お酒苦手なはずなんだけどな」
「そうなのか?」

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