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ヤンデレ妻日記
官能リレー小説 - 若奥さん

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ヤンデレ妻日記 34

「お待たせしました。はじめまして」
約束の時間から十分遅れで旦那ちゃんが来た。
「舞さん、ですか?」
「はい」
女教師風の清楚なスーツ姿で髪はストレートロング。どうみても男性に見えない。
「お酒でも飲みますか」
「少しなら。あまり強くないんです」
旦那は偽名でサークルに「舞」と名前を登録していた。俺はそれがなぜか気にくわない。
ホテルからそんなに離れていないバーでカクテルを注文した。飲みながら少し話す。
「男性に見えないんですけど」
「そうですか」
「きれいですよね」
「もともと女顔なんですよ」
「あの趣味とか聞いていいですか、あと好きな食べ物とか……」
すると、旦那ちゃんがくすくすと笑う。
「もしかして緊張してます?」
「……それは、まあ。俺、美人すぎてびっくりしてますから」
すると旦那ちゃんはカウンターの上の手にそっと手を重ねてきた。細くて長い指をしている。
「いいですよね、そういうのって」
写真で見るより、美人すぎて困る。
声も高めで、橘さんといい旦那といい、第三の性別があるような気がしてくる。
電話が鳴った。
「会社みたいです。ちょっとすいません」
出ると「まだ?」と舞が言った。
「その件でしたら、もう少しお待ちください」
「ちゃんと連れてきてね。あの……美人だからって手を出したらダメですよぉ」
舞ちゃんが言った。たしかに美人すぎて少しドキドキしているが、大丈夫だ。
「失礼しました」
「あの……結婚はなさってるんですか?」
「いえ、なかなかいい人がいなくて」
旦那ちゃんは残りのカクテルを飲んだ。
「なんか仕事できそうな感じの人で、もてるんじゃありませんか?」
「そんなことないですよ」
「私、結婚はできませんよ」
「俺、恋人がほしいんです」
「そうなんですか。私も恋人がほしいんです」
あなたには妻がいるのでは?
と俺は内心で思ってしまった。
俺もジンライムを飲み干して、緊張しながら言った。
「俺、ホテルに部屋を予約してあるんです。初めて会った日なんで、嫌だったらまた別の日でもいいです。あと俺、男の人とするの初めてなんです。紹介の写真を見て美人だなって思って」
「だから、緊張してるのね」
旦那ちゃんは俺の手を握ってにっこり笑う。
「なんか、かわいい。大丈夫よ」
バーを出るとホテルに戻ってきた。
「ここ高かったんじゃないの、無理してない?」
「初めてのときぐらい、なんかいい部屋のほうがいいかなって」
「そんなに気をつかってると疲れちゃうよ」
手をつないでエレベーターに乗った。
エレベーターの中で抱きつかれた。
香水の匂いにくらっとした。
唇が重ねられて、舌を入れられた。
「ジンライムの味が残ってるよ」
部屋につくと俺は電気をつけた。
「よっ、旦那ちゃん!」
ベットの上であぐらをかいた舞が言った。

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