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他人のモノになった、あの娘
官能リレー小説 - 若奥さん

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他人のモノになった、あの娘 84

そして、そこから暫く歩いた所。

「じゃあ、これを」

僕が渡したアタッシュケース。
闇金社長の部下が開けて中身を確認する。

「500万・・・いいのですかい?」
「買い取り交渉費用込みだ・・・タダ働きはしないしさせない主義だ」
「ああ、理解したぜ・・・今後のお取引は」
「無しって事だ」

そう言い合ってそれぞれの車に乗り込む。
とりあえずこれで1つ終わった訳だ。



ただ今回、誤算が1つだけあった。
会社からの聞き取り調査中に華が倒れたらしく入院。
極度の過労だと言う事だ。
それで由香里が病院に駆け込み、子供達は瑠奈が引き続き見る事に。
千秋も後処理で駆け回っているが、恐らく依願退職せざるを得ない状況だろう。
華が夜の仕事していた事実が広まってしまう前にやってしまいたい。
ただ、ギリギリの所だったと思う。
後は華の心次第だが、まだ話し合える程まで体調は回復していない。
と言う事で、僕は現状見守る以外は無い。

「ちょっと・・・お願いがあるけどいい?」

そんな時にそう言ったのは奈美恵だった。

「もう2人程、受け入れて欲しいんだけど・・・」

そう言われればいいよって話なのだが、言い淀んでいるって事は訳ありなんだろう。
まだ奈美恵は僕がどこまで受け入れれるのは分かってないからの反応だとは思う。

「母親が私と同級生で、娘と共に現在S Mクラブで牝犬として働きながら、買い取ってくれるご主人様を探してるんだけど・・・」
「ああ、別に僕は大丈夫だが」
「ただ・・・2人共、マゾ奴隷として飼ってくれるご主人様を求めてる訳・・・」

ああ、そこか・・・
僕にそう言うご主人様ができるかと言う話なのか。

「誰なんだ、それって?」
「剣持さんって覚えてる?」
「剣持和佳子か?!」

意外な名前にびっくりしながら、礼奈から貰った集合写真をスマホで出して拡大して探す。
確かにいた・・・
剣持和佳子。
ポニーテールの美少女剣士。
気の強い坂東も張り飛ばした事のある子だ。

「和佳子ちゃんの母親、恵美子さんも強く綺麗な剣士だったけど・・・坂東達の暴力に最後は屈服されちゃって、母と娘孕まされて・・・」

経緯の違いはあれど、すずと奈美恵に近いパターンだった。

剣持和佳子。
その名前にも負けないような剣道の達人であり、天才剣道少女として注目もされていた。
坂東も張り飛ばしたほど腕っぷしも強かったし凛として気の強い性格の持ち主でもあったが、上背がなかったことが災いして坂東が取り巻きも一緒になって大人数で暴力に及んだため最後には屈してしまい、さらに母親にもその手が及んで性癖まで歪んでしまった……らしい。
僕も一度中学時代坂東としょーもない口喧嘩から殴られそうになったのを和佳子が止めに入って事なきを得たことがあったが、

「大輔みたいなモヤシが坂東に喧嘩売ってどうすんのよ」

と一喝されたことを思い出してしまった。

「連絡は取れるのか?」
「私とエミ、すずと和佳子ちゃん共に親友のままだし、子供達も仲が良いわ・・・大輔さんが良ければいつでも」
「なら、日時とかは任せる」

そんな話を奈美恵として数日後。
オフィスに剣持母娘がやってきた。
立ち会いは沢山居ると話が進まなくなりそうだし、華や由香里のサポートもあるから未来と奈美恵だけにした。

剣持母娘は揃いのコート姿。
あの頃と同じポニーテールの和佳子とアップした纏め髪の恵美子。
あの頃より更に綺麗に女らしくなった和佳子と、まるで姉妹のように若く綺麗な恵美子。
ただどちらも気の強さは無く、むしろ怯えたような顔をしていた。

「お招き頂きありがとうございます、水上様」

少し震える声で恵美子が言う。
その様子はかつての面影が無い。

床に正座して三つ指付いて頭を下げる恵美子に対して、和佳子の頭の下げ方は土下座だった。

「かつて、水上様に対して人間であるかのように振る舞う愚を犯した牝豚をどうかお許し下さいっ!」

声が震えている。
こんな和佳子、僕は知らない。

「2匹共・・・ご主人様への謝罪で服を着ているとか、躾の出来ていない野ブタね」

鼻で笑うような未来。
普段のギャルビッチな格好ではなく、こんな時だけスーツ着てるのも何か感心してしまう。

「「もっ、申し訳ありませんっ!」」

可哀想なぐらい慌てた2人がコートを脱ぎ捨てる。
コートの下は裸・・・
只の裸ではなく、両方ともロープで亀甲縛りだった。
土下座する背中にタトゥー・・・
いや、見事な和彫りの唐獅子牡丹の刺青が背中を飾っていた。

「顔を上げなさい」

未来はSもMもこなせると言うか、千秋との絡みを見るとドSだから、どこかSMの女王様的な雰囲気がある。
だからか剣持母娘が弾かれたように顔を上げた。

「久しぶりだね、和佳子」

優しく声をかけてみても和佳子の瞳は弱々しく怯えがある。
男にここまで怯える様子は、それだけ壮絶な暴力を受けたと言う事なんだろう。
でも、ただ怯えているのではなく異様な程に妖艶な雰囲気も纏っていた。

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