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他人のモノになった、あの娘
官能リレー小説 - 若奥さん

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他人のモノになった、あの娘 42

ちょうど料理が出来上がり、愛海がフライパンからお皿に盛り付けを行う。
僕はそれを眺めつつダイニングの椅子に腰を下ろした。

「未来と千秋は高校も一緒で、また仲良く3年間過ごせると思って楽しみにしてた。坂東やその取り巻きもいないし…でも、それが失われてしまいそうで怖かった。未来も千秋も、私のことを忘れてしまうんじゃないかって、不安になるような…」

「未来も千秋も愛海の事は大事にしてたと思うよ」

大事にしていたから、愛海は今まで処女だったんだろう。
普通、この年齢なら男性経験あっても問題にならない。
それが処女なんだから、2人が相当愛海を大事にしてこれぞと言う相手まで取っておいたのだろう。

「上野の時も声かからなかったんだろ?」
「ええ、あの件は相当千秋が怒っていたし・・・未来は誘いたがってたんだけどね」

この辺りは千秋の好判断と言うべきか。
未来は思い込んだら暴走するタイプみたいだ。
その危なっかしさが未来の可愛さでもあるのだが、同時に気をつけないといけない所だ。

「やっぱり上野って無いのか・・・」
「未来って私が料理教えた中でも相当上手なのよ・・・それでも彼、『お袋の味じゃない』って言ってたぐらいだし」

それは酷いな。
酷すぎて笑うしかないレベルだ。

「よっぽどアレが良かったんだろうなぁ」
「それに関してはノーコメントで」

少し顔を赤くした愛海。
そりゃそうか、それは本人に聞いた方が早いだろう。

「未来にも千秋にも、本当に幸せになってほしいから、私はそのお手伝いをしたかったんだ」
「僕は愛海にも幸せになってほしいと思ってるよ」

愛海は少し頬を赤らめながらテーブルに作り上げた料理を丁寧に乗せていく。
どれも見た目からして美味しそうだ。
まさしくプロの料理人といった感じだ。

「わあっ!愛海、今日も凄いね!」
「今日はとっておきだよ」
満面の笑みを浮かべる未来と、まだどこかボーっとしている千秋がキッチンにやってきた。

とは言え、自分の足で歩いて席にまで着けたのだから大丈夫なんだろう。

「でも、本当にキッチンもダイニングも立派よねえ」
「集まって宅飲みにしか使わないけどな」

普段一人だとアイランドキッチンにあるカウンターの所で食事して、ダイニングのテーブルを使う事はまず無い。
6人掛けテーブルは無駄にデカいが、これぐらいを入れてないとダイニングに何も置くものがなくなってしまう。
でもこうやって4人で本格的な食事となると、この広さが生きてくる。

「愛海より大輔くんの方が稼いでるよね、これ・・・」
「私も結構なものだけど、流石にここまでは・・・」
「このマンションの時価総額三億ぐらいみたいだしね」

3人がそんな会話をする。
まあ、投資でかなり儲けたし、本業の投資会社以外に数社の経営権は持っている。
どれも急成長のベンチャー企業や資金投入すれば伸びる会社だったりするので、その株式を売ってしまえばまた収益になる。
その収益を元手にまた成長しそうな会社を買って成長させるのを繰り返すのも商売の一つだ。

「それだったら、私のほうにも出資してほしいところだね」
「近々私の独立を手伝ってもらうんだぞ」
「ふふ、千秋はもっと大輔くんに依存していいんだよぉ」

女子が3人集まると姦しいとはいうが、この3人は本当に仲がいいのがよくわかる。
あの頃からそうだったかな、なんて思いながらも3人が3人とも今が幸せで充実してるなら、僕も見ていて嬉しい。

「愛海の作るご飯は美味しいし!」
「仕事するとがっつりお肉食べたくなるんだよなー」
「千秋がお肉大好きなのは私が一番知ってるもの。………アイツの影響で菜食主義に目覚めかけたから、ショックで寝込みそうになったわ」

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