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他人のモノになった、あの娘
官能リレー小説 - 若奥さん

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他人のモノになった、あの娘 17

「何事も早く済んだほうがいいし、明日は大切な奴らが帰ってくる……大輔と未来もせっかくだから一緒に来るかな?」
「誰が帰ってくるって?」
「佑梨と薫」
「ええ、会いたいなぁ…でも今の私じゃなぁ…」
一瞬キラキラ瞳を輝かせた未来だが、すぐに自分の立場を考えたのかしょげてしまう。

千秋が名前を上げた2人は未来、川瀬真央、高峰ジュリアとともに「5本の指」と僕らが呼んでいた憧れの美少女だった。そして今の活躍ぶりではあの頃の同級生ではズバ抜けている2人だ。

草野佑梨は今やハリウッドからオファーが来るほどの実力派若手女優、笹島薫は世界選手権でメダルを獲得したフィギュア界のトップスケーター。

「あの2人を坂東から守れなかったのは、当時の私が力不足だったからなんだ」
千秋がそう言って嘆息する。

「そんなに思い詰めるから高校の時にあんな事になったんだよ」
「・・・ああ、全くそうだな」

未来にそう言われて千秋が肩を竦める。
そして未来に『話しておいた方がいいな』と聞き返し、未来も頷く。
そして2人が高校時代の事を語り始めた。


5本の指の美少女達は全て地元から離れた高校に行ったが、その中で未来と千秋は同じ高校に行ったらしい。
身も心もボロボロだった未来だが、そこで1人の男子に出会う。
イケメンかつ文武両道。
爽やかで優しいその男子は、入学してすぐ学校のアイドル的存在になっていた。
その男子が未来に告白してきたのだ。

自分の過去に負い目を持っていた未来は一旦拒否するが、その男子は未来の過去を受け止めた上で優しく支えた。
それは千秋から見ても完璧な男子であり、これで未来も幸せになれるとホッとしたらしい。

「だけど食わせ者だったんだよな」

千秋が苦々しくそう言うと、未来も苦笑して応じる。

その食わせ者は未来と結ばれてから徐々に本性を表してきた。

優しい顔を見せながら未来を抱き、坂東を忘れさせた・・・
表向きは。

その実、未来を完璧にまで調教し、セックス漬けにした。
そして未来をセックスの事しか考えれないぐらい壊し、援交させて稼がせたのだ。
勿論、稼ぎはその男子の懐に入っていた。

それだけでなく、千秋には未来の相談と言う形で近付きながら誘惑。
千秋すらそれに騙されてしまったらしい。

「そして『未来を悦ばせてあげれなくて男としての自信を失った』って涙ながらに言われて信じてしまったのが運の尽きさ」
「それで彼に身体を許して虜にされたのよね」

かなり忌々しげに言う千秋と苦笑する未来。
2人とって黒歴史なのかもしれない。

「あれは洗脳だったな・・・未来の方が早く洗脳が解けたから良かったが・・・」

そう言う千秋。
千秋が引っかかったのだから物凄いスケコマシだったのだろう。
そう考えると凄いとしか言いようが無い。

「私は色んな人のオチ◯ポに跨っていたら『別に彼のじゃなくてもいいんじゃない?』って気付いただけよ」

つまり、未来はビッチになりきったから醒めたと言う・・・
ソイツにとっては逆効果な事態が起こった訳だ。

そんな未来が千秋に近づき、ブラウスをめくり上げる。
露わになる千秋の腹部。

「これ見て」

そう言って指さした所は千秋の右脇腹。
そこにアザのようなものがある。
いや、よく見ると赤ちゃんのような絵柄に×マーク。
それが2つあった。

「アイツに孕まされて2回堕ろした跡だ・・・女の腹にこんなものを刻む鬼畜に私もいいようにされていたのさ」

自嘲する千秋の重い過去。
それは坂東以上の鬼畜だった。

「まあ、壊れたけど洗脳が解けた未来に私の方が救われて奴から抜け出せたけど・・・私も未来も失うものの方が多かったな」
「うん、でも何とか高校は卒業できたし、千秋は大学行けたし・・・まあ、2人で同じ店働いていたら玲奈さんと再会したりとかいい事もあったしね」

未来によると、千秋も何とか洗脳が解けて大学受験に間に合い、そこからは風俗で稼ぎながら学費を稼いでいたらしい。

そこから法学部に進んで、弁護士になった今の千秋。洗脳されたという事実はお腹に残された跡を見せられないとわからないほどだ。

「お前も苦労してたんだな」
「苦労って一言じゃ済まないほどだけど…まあそうだね」
モテとは無縁を嘆いていたがそれなりの高校、大学生活を送っていた僕にとっては申し訳ない気持ちもした。

「千秋、今夜は泊まっていきなよ」
未来が言う。

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