他人のモノになった、あの娘 157
僕の言葉に薫は微笑み、手を自分のお腹に当てる。
「ありがとう・・・愛するセルゲイの赤ちゃんだけは産みたかったの・・・愛されてないって分かっていてもね・・・」
僕には分からない強い絆が薫とコーチにはあったのだろう。
妊娠すれば引退せざるを得ないし、コーチとも離れなくてはならなかったのを理解していたし、彼の一番にはなれないのも理解していた。
更にコーチが薫を妊娠させたのが、最愛の弟子であるイヴァンカを勝たせる為だから噛ませ犬以下の扱いだろう。
だけど、彼女の顔を見る限り後悔は無さそうだ。
「まあ、マスコミが忘れるぐらいまで匿えるだろうし、きっと数年すれば話題も消えるさ」
「うん、そうなればいいと思う」
ただ問題は、薫の身内だ。
「身内の方は大丈夫なのか?」
「両親が私を坂東に売ったのよ・・・会う理由も無いわ」
彼女が坂東に犯されたのはそんな理由だったのか・・・
彼女の家はそれなりの資産があった筈だけど、何か理由があったのかもしれない。
「実家が事業に失敗して、私を坂東の妻として売った訳・・・一応、フィギュアは続けられたけど高校卒業までって話で、練習環境も最低限だったわ」
「そうだったのか・・・」
五本指でも薫は綺麗で品があってお嬢様的な雰囲気だった。
もしかしたら坂東家は薫の実家のステータスが欲しかったのかもしれない。
「セルゲイに出会って無かったら、坂東の奴隷妻だったけど・・・彼がロシアに連れて行ってくれたお陰でフィギュアを続けられて結果を残せたのよ」
それは坂東の妻になるより遥かに良かったんだろう。
同じ肉便器扱いでも、夢を叶えれるのとそうでないのは全く違う。
「そっか・・・なら、元気な赤ちゃんを頑張って産まないとな」
「ありがとう・・・今の私には、身体でしかお返しできないけど・・・」
そう言う薫を抱き寄せる。
すると僕の胸元に顔を埋める薫・・・
最愛の人の子を身籠れたとは言え、捨てられたのだ。
辛くない訳が無い。
僕の胸に顔を埋めた薫が、小さく嗚咽を漏らす。
それが次第に大きくなっていき、小さな身体がブルブルと震えだす。
「もう強がらなくていいんだぞ」
そう優しく告げ、薫の背中を撫でる。
嗚咽が泣き声に変わっていく。
「僕はいつだって薫の側にいる。絶対にいなくならないし、捨てるだなんて絶対しない。ずっと一緒だよ」
そう言いながら、僕は薫に欲情していた。
再会した時からそうだったけど、話を聞き、こうやって抱きしめていると・・・
自分の中に欲情が渦巻いていくのが分かる。
それは、多分・・・
薫の醸し出す扇情的な色香のせいでもあるだろう。
彼女の演技の持ち味は扇情的で艶やかな表現力であり、日本人離れしてラテン系のような情熱的で妖艶な演技と言われていた。
それは、セルゲイ門下生の特徴とも言われているが、特に薫は普段は氷のようにクールなのだが、『凍てつく凍土を溶かす』とまで言われた情熱で世界女王に輝いていた。
彼女のそんな演技を見ていると、身も心もコーチによって調教され尽くした結果だろうと思う。
だからこそ、コーチの子を孕む事に躊躇も無かったのだろう。
今も薫の身体は熱を帯びて、狂おしい程の欲情を内に秘めているように感じていた。
だから僕は、ストレートにこう言う。
「薫を・・・僕の肉便器にしたい」
僕の言葉に涙で濡れた瞳で見返す薫。
涙で濡れた顔に淫蕩な笑みが浮かぶ。
「私・・・セルゲイから、スヴィニヤーって呼ばれてたの・・・大輔くんもそう呼んで欲しいな」
「何て意味だい?」
僕が聞き返すと薫は微笑んだ。
微笑んだ顔はゾクリとするぐらい淫靡だった。
「豚よ・・・私に相応しい、とっても大事な名前・・・」
むしろ誇らしげにそう言う薫。
その表情に僕も興奮を覚えていた。
「そうだね・・・可愛いスヴィニヤー、僕の肉便器になるかい?」
「喜んで!」
抱き合いキスを交わすと、薫はすぐに舌を入れてくる。
やはり随分と調教されているみたいだ。
胸を触ると、かなりボリュームがある。
アスリートだけに、ここのボリュームは減るのが普通だが、薫の場合は規格外にボリュームを感じる。
それは妊娠したからかもしれない。
そして、上半身と同じく下半身もむっちりしているが、これはこの競技特有の肉のつき方。
このボリュームたっぷりの尻や太ももから得意としたトリプルアクセルや、調子の良い時は四回転ジャンプも繰り出していた。
中学の頃は細い印象だったが、随分とボリュームアップしている。