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他人のモノになった、あの娘
官能リレー小説 - 若奥さん

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他人のモノになった、あの娘 150

絵梨香の言葉に僕はビックリする。
と言うのは、当時の美緒の家庭環境は両親がおらず、祖母との2人暮らしだったからだ。
何故それを覚えているかと言うと、僕の家庭も母を早くに亡くした父子家庭で、何となくシンパシーがあったからだ。

「そりゃあ両親は居る筈だよなぁ・・・美緒はその事を知ってるのか?」
「亡くなったお婆ちゃんから聞いたみたいね・・・ミィちゃんのお母さんも中学生でレイプされてミィちゃんを身篭っていたみたいだから」

そんな事があったのか・・・
確か美緒のお婆ちゃんは中学卒業すぐぐらいに亡くなったって美緒から聞いたが、娘と孫が同じく中学生で妊娠したショックとかもあったのかもしれない。

「何故、絵梨香に?」
「離婚後、働いていたソープで鬱になりかけて・・・辞めて路頭に迷ってた所で拾って貰ったスナックのママが・・・ミィちゃんのお母さんだったって!・・・スナック辞めて落ち着いたから挨拶に行ったら色々と分かって」

そう言う事か・・・
偶然だとしても凄い事だ。
しかも中学生で妊娠したって事は、まだ三十代って事になる。

「応接室で待ってもらってるから、行ってお話してほしいな」
「わかった。ありがとう」

あまり機会こそないものの、取引などの話があったらと設けた応接室。
そのドアを開けると…

「あ…水上くん、ね。はじめまして、なのかな。美緒の母の荒木佳織です…」

ペコリと頭を下げる女性。
あの頃の美緒がギャル化せずに大人になったらこんな風になるのかな、と思えるような可愛らしい人だった。

少し驚いたのは、普通水商売していたら職業柄である艶とか色気とかありそうなのだが、そんなものが一切無い。
昼の仕事か専業主婦かしか経験していないように感じるぐらい普通なのだ。
そんな清楚な主婦に見える佳織・・・
今の美緒に会わせていいものか迷うぐらいだった。

「もしかして、娘さんの事ですか?」
「ええ・・・ここでお世話になってると聞いて・・・あの子が生まれてから会う事も出来なかったのに今更だけど・・・」

言いにくそうな感じだが、それも当たり前だろう。
美緒の出生の件を考えれば仕方ない事情があったのは推測できる。

「荒木と名乗ったけど、私の今の姓は横田・・・」
「そうか・・・家庭があったのか」

そこから聞いた佳織の生い立ちは、美緒に会えなかったのも納得できる話だった。
人一倍発育の良かった佳織は、中二の頃にレイプされていた。
そこからレイプ相手に脅され何度も関係を持ち妊娠・・・
レイプした相手こそ、坂東の親父だった。

坂東の親父は佳織を愛した訳でなく、発育のいい中学生を犯して孕ませたいだけの欲望で美緒を産ませたらしい。

そして美緒の祖父母達に泣き寝入りを強要・・・
当時から実力者の坂東家に逆らえる筈も無く、美緒の祖父母は佳織を町から出して美緒だけを育てたらしい。

その後、佳織は親戚に引き取られてその地で結婚。
相手はサラリーマン家庭だが、姑がスナックのママであり、そこで働きながら夫婦生活を送っていたようだ。

しかし、姑と夫が相次いで亡くなり、独り身でスナックのママとして働いていた所に絵梨香が勤める。
色々あった絵梨香も自分の事を多くは語らず、同じく色々あった佳織も聞く事は無かったが、2人仲良くスナックで働いていたらしい。
常連には親子と思われていたぐらい仲良く、絵梨香の娘を佳織が面倒を見たり、プライベートでも交流が増えていった。
そんな矢先に絵梨香がスナックを辞めると言い出したのだ。

故郷に帰ると言う絵梨香を残念に思いながらも送り出した佳織。
ただ、その絵梨香の故郷が自分の故郷と同じ気がして胸騒ぎを覚えたらしい。
そして、落ち着いた頃に絵梨香が再び佳織の元に来た時に全てを聞いたのだ。

娘が自分と同じように坂東に犯され性奴隷としていいように扱われ、その後は貞操観念まで狂って次々に孕んで産んで、そんな事の繰り返しなのを知って、佳織は頭を抱えたという。

「私が側にいたら、あの子も少しは…」
「いえ、さらに酷い状況を作るだけだったかもしれないです」

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