他人のモノになった、あの娘 124
絵梨香の話によると、その未成年の女子は訴えたいと言ってるらしいが、娘の将来を考えて親がどう判断するかと言う事らしい。
そこで弁護士である千秋に会わせて検討しようと言う事のようだ。
「どちらにせよ、その女の子が良いようになればいいな」
「だから、上野をどうにかする事より、そっちがメインだからね・・・」
上野に制裁したいと言う思いがあっても、それでその女の子が不幸になるならやらないと言うのが絵梨香の考えだし、それは僕も同意だ。
ただ、上野は放置すればまた被害者が出るから、それもまた問題だった。
そんな話を千秋に引き継いで、僕は仕事に戻ったのだった。
そんなある日。
数多く無い仕事での外回り。
「いや・・・先方もかなり乗り気になってくれたし、いい企画書だったな」
「ありがとう・・・前の仕事が役に立ったかな」
帰りの車で華を絶賛する。
僕はよく見込みのある会社を買収して、業績を上げて株式を上場させて利益を得ると言う事もしているが、今回そんな企業に企画を持って行った訳だ。
その企画書は華が作り、僕も面白いと思ったものだったが、プレゼンまで華がすると大好評だったのだ。
「大輔くんが修正してくれなかったら、多分駄目だったと思うわ」
「謙遜しなくていい・・・そもそものベースがいいから僕のは大した事じゃない」
ベタ褒めにはにかむ華。
随分体調が戻り、まだ痩せてはいるが健康に見えるぐらいにはなった。
「じゃあ、ご褒美にご飯でも行こうか」
「はい!・・・じゃあ、その後に・・・」
頬を染めた華の瞳が潤む。
「抱いて下さい・・・」
ランチの後にラブホ。
昼の日中からどうよと思うものの、どちらも止める気は無い。
部屋に入るまで、華は僕に腕を絡めてきている。
「妊娠したママが・・・凄く羨ましかったわ・・・」
ホスト崩れにベタ惚れだった華も、今では洗脳が解けたような感じになっていた。
同級生達とも仲良くなりながらも多分自分が抱かれるのを待っていたんだろう。
医者からも体調的には何の問題も無いと言われてるし、そろそろだとは思っていた所だ。
「2人して同じ男を好きになるなんて歪な事だけど、その頃の私にはそんな事どうでもよくって。彼から次は私の番だって言われて嬉しくなった」
当時を振り返る華。
「瑠奈や萌が大輔くんとの子をお腹に宿してるって聞いたら、それだけで羨ましいって思うようになって。変かなぁ…」
「いや全然。華の体調が良くなったらいっぱい可愛がってあげようって、いつになるかずっと楽しみにしてたよ」
僕の言葉に華がギュッと抱きついてきた。
「仕事で褒められて嬉しかった・・・でも・・・」
僕を見上げる顔は涙で濡れていた。
「私っ!・・・肉便器としてっ、評価されたいのっ!」
叫ぶ華・・・
泣きながらの叫び声だった。
「ギャルとか夜の仕事とかっ・・・ずっと馬鹿にしてた!・・・でも・・・でもっ、セックスの良さを知って・・・自分のつまらなさに気づいたのっ!」
華のそれまでの生き方が悪いとは思わない。
だが、それ故にホスト崩れにつけ込まれた所はある。
程よく恋愛やら失恋やらの経験があれば、もしかしたら引っ掛からなかったかもしれない。
「みんなで休憩時間も、服を脱ぐのも許されなかった・・・」
みんな休憩時間は全裸で同級生トークをしたりしていた。
トークだけでなく各自オナったり、レズったりもしていた。
その中で服を着ているのは、愛海と華だけ・・・
愛海は特別扱いと言うかお姫様扱いだったし、華はまだ体調が回復してないからと言う事だった。
だけど、彼女からすればまだ仲間に入れて貰えないと思ったのだろう。
「石田先生から『貴方はまだ駄目よ』って言われてたけど、私もそう思った・・・」
特に礼奈には華をよく面倒見て欲しいと言ったから、それ故の言葉だろう。
それと、坂東に抱かれていない華は、千秋程関わりが少ない故に若干浮いてる感があったのかもしれない。
それは愛海も『疎外感感じる』と言っていたし、その為に乳首ピアスまでした経緯があったが、こればかりは同じ体験をした者の連帯感が強いが故の弊害なのだろう。
かつて僕が高校進学した時に、同じ中学出身者が居なくて疎外感を感じたのに似ている。
だがそれも時と共に解消はしたものの、中学時代の内輪ネタとか入り込めない部分もあった。
なのでこればっかりは仕方ない。
「過去は変えれないさ・・・それはみんな一緒」
「うん」
「だから、みんなで今と未来を共有しよう」
華の頭を撫でてそう言う。
そうなのだ、今と未来を共有する事しかできないのだ。
「華を僕の肉便器として可愛がるし孕ませる」
決意を込めてそう言う。