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夏恋
官能リレー小説 - ロリ

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夏恋 3

自分の家とは逆方向にはなるが、繁華街に近くなるこちら側に目的の店はある。
表通りからは裏手になるこの喫茶店はお気に入りの店。

知る人ぞ知るといった名店なのだが、店主はどうも商売っ気がないみたいで表の看板もこじんまりしているのも手伝って、店内の客の顔は見覚えあるサラリーマン風の男性や、店の調度品になっているかのように日当たりの良いロッキングチェアでコックリしているおじいさんくらいしかいない。

「マスター、アイスコーヒーと…愛海ちゃんは?」

カラリとした木製のドアチャイムを鳴らして奥のボックス席に向かう途中、マスターにそう言うとソファに腰掛けて、ビニールの張ったメニューを愛海ちゃんに向ける。

しなやかでありながらむっちりとした素足が投げ出されるさまはガラステーブルを通して目に眩しいほどに魅惑的に映る。
ショートパンツのきわから女の子たらしめる部分も、肉感的なのにもうくびれの兆候が現れ始めている腰もこの真正面から見るとまた水着姿とは違った趣があって。

「こんないい店があったんですね。すごーい、なんかおしゃれー」

こんな目で見ているのが申し訳なくなるほどの無邪気に視線をそらすとメニューに顔を近づけている愛海ちゃん。

「決まったかな?」
「はい!マスターの気まぐれストロベリーパフェがいいですっ」

そんなメニューがあったのは知っているが、注文したことはない。
どんなのが来るんだろうと思いながらも先に来たアイスコーヒーのストローに口をつけながら

「いつも一人でプールに行くの?プール好き?」

まずは会話の糸口はこんなところから始めてみよう。
随分年下の女の子だけれど少しの緊張と、少しの嬉しい気持ちで話しかけてみた。

「はい、泳ぐのが好きなので。夏休みは1週間に1回は必ずプールに行くんですっ」
「へぇ、一人で?」
「一人の方が集中して泳げるから…あっ、友達がいないわけじゃないですよ?」
何か先を読まれたような感じで言われた。
別に心配はしてないけど。

しばらくして注文したパフェが運ばれてきた。
想像した以上にデカかったが、女の子は甘いものに関しちゃ別腹だから大丈夫だろう。

**********************************

夏海はこんなに大きくて豪華なスロベリーパフェを食べたことはなかった。

半分に切った生苺が最上部の生クリームに乗った12個、ヨーグルトとフレークと続いてまた木苺が下にもある。ストロベリーシロップもふんだんに流し込まれ、もう口の中はいちごの国になってしまう。

「おーいしっ!すごく美味しいですぅ」

お礼とも食レポとも言えない言葉だが、この気持を前にいるお兄さん、そう康成さんに伝えたくて。

一時間前にプールで逢ったときから人の良さそうな男の人だと思っていたけれど、このパフェをご馳走してもらってさらに印象が良くなった。
康成さんは高校三年生で大学進学のために勉強中の、受験生だそうだ。

自分には兄弟がいないし、一緒に遊ぶ友達のお兄さんお姉さんも中学生ばかりだから高校生の康成さんはとても大人に見える。

大人に見えるけど、プールから出て今は跳ねてる髪はちょっと子供っぽい。
よく見るとちょっとだけかっこいい。

「康成さんは勉強の息抜きで来てるんですよね、プール。愛海は泳いだあとは眠くなっちゃうから勉強できないなあ。今日も宿題やってから来たんです」
「息抜きもあるけど、涼しいところでずっと座ってると体がカチコチになっちゃうからほぐしに来てるって感じ。愛海ちゃんは夏休みの宿題、溜めない子なんだね、えらいえらい」

受験生って大変そう。でも頭も良さそうだしきっと来年は大学生になるんだろうななんて考える。

ピンストライプのボタンダウンシャツに、カーキ色のハーフパンツも最近ファッションに目覚めた愛海の目にはお洒落に映る。

もともと話すのは好きだし、両親とも仲がよくて友達も多い方だと思うから初対面の感じのいい人なら喋るのは全然億劫じゃない。

父親には「誰かに声を掛けられてもついていっちゃだめだよ」なんて言われているけれど、喫茶店に連れて行ってもらうくらい平気なのにと来てしまった。

だけど、少し罪悪感はある。どうしよう、このことパパやママに言ったら怒られるのかななんて思いながらも康成さんとのお喋りは楽しい。

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