PiPi's World 投稿小説

ヒメゴト。
官能リレー小説 - ロリ

の最初へ
 27
 29
の最後へ

ヒメゴト。 29

いつも元気な彼女らしくない、何か思いつめたような表情。
あまりそんな顔はするな、なんか嫌な感じがするから、なんて言いたくなるがやめておく。

「センセ、時間、ちょっといいかな」
「おう、お前が気の済むまで相手してやるぞ」
「ふふ、ありがと」

ニコッと微笑むがその笑顔にもいつもの力がない。
本気でどこか悪いんじゃないかと心配になる。

「まあ、事務室に入れよ。紅茶でも入れてやる」
「ありがと、センセ」

エリカを事務室に招き入れる。
いつもは可憐と過ごす授業後のひと時だが、今日はそうではない。
その代わりにエリカと2人きりである。

「可憐、無事でよかったよ」
「そうだな」
「センセが助けてくれたんだよね、ありがとう」
「あ、ああ」

…コイツに本当のことを言うべきでは…どうしようか。

でも、それよりも今は、エリカの精神状態が心配だった。
明らかにいつもの彼女とは違う。

「可憐に、もし、何か、あったら…私…」
「エリカ…?」
こんな顔のエリカを見るのは、もちろん初めてだった。
声は震え、瞳から涙がこぼれる。

「エリカ…」
俺はその身体を抱きしめた。
「センセ…」
「そんな顔のお前なんて、俺は見たくないんだ」

エリカは俺の顔をまじまじと見つめ…その後…

…赤ん坊のように泣き続けた。
いつものでかい声に、さらに拍車がかかったようなでかい泣き声だった。

それでも、俺はエリカの折れてしまいそうな細い身体を、強く抱きしめ続けた。
コイツはコイツで、可憐をここに導いたことを後悔していたのだろう。

いつもは底抜けに明るくても、実際には気苦労が絶えなかったのか。
苦労してたんだな、お前…

俺はエリカを抱きしめながら、その頭を優しく撫で続けた。



ようやく落ち着きを取り戻したエリカは、俺が入れた紅茶をチビチビと飲み始めた。

「ごめん、センセ」
「構わんぞ。お前の意外な一面が見れたな」
「あはは…見られたくなかったなぁ…」
照れながらも可愛い笑顔を見せてくれた。
いつもの調子に戻り始めたか。

「私は、センセのこと、可憐の彼氏だって思ってるから」
「ああ…お前が思うなら…」

今回の件で、可憐への思いは、いっそう強くなったのだ。

SNSでこの小説を紹介

ロリの他のリレー小説

こちらから小説を探す