PiPi's World 投稿小説

ヒメゴト。
官能リレー小説 - ロリ

の最初へ
 19
 21
の最後へ

ヒメゴト。 21

…それ以上聞くのはやめた。俺も聞きたくなかった。
たぶん、可憐からは俺の予想したとおりの答えが返ってくるだろう、そんな気がしたのだ。

翔太だって仕方ない。少なくとも同じ男として同情する気持ちはわずかながらある。
ここで事を大きくしたらアイツの人生を狂わせることになる。それはしたくない。
だから、我慢した。

だから、何も言うまい。今のこの状況を、現状維持しよう。

「また、したいか?」
「はい!」

この笑顔も、守りたいから。



それから数日後

いつもどおり、塾で可憐たちをはじめとした生徒たちに授業を行っていた。

「じゃあ、今日はこれまで」
テキストを閉じ、今日の仕事を終える。

「じゃあねー、センセ」
「おう、暗いから気をつけて帰れよ」
エリカがこちらに手を振って応える。

…ん
エリカの少し後ろ、一人の女の子が気になった。
容姿は可憐によく似た黒髪ショートボブ。黒縁の眼鏡。
地味で物静かそうな印象の子。確か可憐たちと同じ学校だったはずだ。

「ん?どしたの、センセ」
エリカに不思議がっているところを気づかれてしまった。

「あ、ああ、いや、ちょっとな」
「吉川さんのこと、気になるの?」
「吉川さん?」
「ほら、センセさっき、そっち見てたじゃん」

あの眼鏡の彼女、吉川という子なのか。
「あまり仲がいい感じではないんだな」
「いや、悪いわけじゃないんだけど…彼女、あまり人付き合いしない子だから」

まあ確かに、エリカと波長の合うタイプではないかもしれない。
しかし、コイツや聖羅に出会わなければ可憐や麗華もあの彼女のような感じになっていたであろう。
人間というものはわからない。いつまでたっても、だ。

エリカとはそこで別れる。

名簿を見て調べる…吉川由梨絵。
彼女は、まだ座ったまま、帰る気配がない。

「帰らないのか?」
教室の中はいつの間にか俺と彼女だけになっていた。

「えっ?…あ、いや…」
「親が迎えに来てくれるのか?」
「あ、いえ、その…」
聞き方が悪かったかな?どうもオドオドしているようだ。

「時間があるなら、事務室に来ないか?紅茶かコーヒーも入れるぞ?」
今日の戸締り、担当でよかったかもしれない。

SNSでこの小説を紹介

ロリの他のリレー小説

こちらから小説を探す