後にして思えば、逃げる道などいくらでもあった。
だが、木茂の言葉を聞いていると、不思議とそれが正しく思えて、正常な判断が出来なくなってしまうのだった。
「ぶふふ、みーゆたん。まずは脱ぎ脱ぎしようねぇ」
そう言って、木茂はわたしの服を脱がせてくる。わたしはされるがままに従ってしまう。
「おー、●学生でこの育ちっぷり！　これは将来が楽しみでござるなぁ」
そう言って、胸に妖しい愛撫をしてくる。
「あぁっ……」
ただ、欲望のままに触ってきた木村と違い、その慣れた手つきは、それだけでわたしを快楽の海に引きずり込んでいく。
「ぶふふ、まずはちゅーしようか」
その言葉と共に、快楽に飲み込まれているわたしの唇が奪われる。一瞬、生ゴミの様な匂いが口の中に充満する。
だが、木茂の舌が的確にわたしの口の中のポイントを突く度に、嫌悪感は消えていくのだった。

不意に木茂の口が離れる。わたしは思わず、まだキスして欲しいと舌で宙を舐め回してしまった。
「ぐふふ、みゆたんはボクとのキスを気に入ってくれたみたいだね。でも、もっと気持ちよくしてあげるから安心してね。さぁ、洗いっこしようか」
と全裸になって二人でシャワー室に入った、