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神になろうとした男
官能リレー小説 - SF

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神になろうとした男 9

村のすぐそばで真っ黒な炎が上がり男が叫んでいるというのに、誰ひとりとして様子を見に来る者はいなかった。それどころか村全体が静寂に支配されているのだ。さっきまで聞こえていたはずの鳥の声も聞こえない。
まるでこの空間だけが世界から切り離されているような錯覚に陥る。
「くそっ、どうなってるんだ…」
ジョンはこの異常な状況に耐えきれずルバトを放置して小屋を飛び出す。
そして村人達に助けを求めようとしたのだが、そこで初めて異変に気付いた。
(誰もいない…だと?)
村の人間はおろか鳥一匹見当たらないのである。まるで神隠しにあったかのように忽然と姿を消してしまっている。
ジョンは必死で周囲を見渡すがやはり人の気配はない。
村から人が出ていくのは見ていない、そもそもこんな短時間で大勢が移動できるはずがない。
ならば一体何故…。
その時、ふとある事に気付く。
(そういえばあの男は何をしていた?)
確かあの時、男は祈るように手を組み目を閉じていたはずだ。
あれが何らかの儀式だとするなら、今のこの状況に説明がつくのではないか?ジョンは急いで小屋に戻る。
そして扉を開けようとするが、何故か開かない。鍵などかけていなかったはずなのに。
「おい、誰かいるのか?ここを開けるんだ!」
ドンドンとドアを叩きながら叫ぶが返事は無い。まさか…と思いながらもジョンはレーザー銃を取り出して構えると、ドアノブに向けて引き金を引いた。
レーザー銃の威力は絶大であり、一瞬にして扉は吹き飛んだ。そして中の様子を目の当たりにしてジョンは言葉を失った。
「な、なんなんだこれは…?」
そこには異様な光景が広がっていた。
ルバトが立っていた。ただし先ほどの男と同じように漆黒の炎に身を包み、黒いオーラのようなものを放っていた。
それだけではない。彼は裸だったのだ。そして股間では先程の男と同様にペニスがいきり立っている。

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