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未来宇宙史
官能リレー小説 - SF

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未来宇宙史 7

 基本的に惑星への着艦は申請なしで可能だが、修理等を行う場合は申請をしておくと着艦からの流れがスムーズに進む。また、出立惑星からの安全なルートを紹介してもらえる場合もある。
 宇宙海賊などの脅威に晒されがちなルーキーらにとって、これ程ありがたいことはない。
 無論、カイルもご多分に漏れず申請済みだ。
 撃退できる程度の宇宙海賊ならば、武装の目安や指針にもなるので願ったり叶ったりだが、そんなものは望むべくもない。
 最低限の武装(と言っても撤退の為の時間稼ぎに使える煙幕程度のものだが、)で航海に踏み切ったのだ。相手が宇宙海賊でなかったとしても勝機は薄い。
 そもそもこれ程までに軽装な理由として、出立の順番待ちをしたくないというエナの意向で、必要最小限の装備にせざるを得なかったというのもある。
 いざ戦闘になっても、不馴れな状態で勝つのは困難な為、逃げるための装備しかない、というのは逆に強みにもなるわけだが。
 飽く迄も噂程度だが、目的地の武装兵器の強さはカイルの耳にも入っている。
 使いこなせるかは別として、少なくとも興味自体は持っているようで、暇を見つけては下調べを継続している。
『図解!兵器武装』といういかにもな雑誌を流し読みしているところで、風呂場方面から騒がしい音がしてきた。
 そろそろ上がったかな、とカイルが本を閉じて迎える用意をしていると、ふいにプシューと脱衣所の扉が開く音がした。
「ちょっと待ってまだダメだって!」
 焦ったようなエナの声が響くと同時に、幼児体型の女の子(※18歳未満は登場していません)が駆け出してきた。
「ごわごわしてる! ごわごわしてる!」
 と恐怖に満ちた顔でエナから逃げる女の子。その膨らみかけの胸(※18歳未満は登場していません)や、色素が薄いのか、まるで生えていないかのように見える陰部(※18歳未満は登場していません)。普段あまり見る機会の無い光景だからか、カイルは一部始終に釘付けだった。
「ちょっ、カイル、手伝ってよ!」
「あ、わりぃ」
 そそくさと女の子(推定18以上)を捕らえる(合法です)カイル。
「わぁーん!」
 よほどタオルが苦手なのか、目の端に涙まで浮かべている合法ロリ。
「ちょっと我慢してくれよ」
 そう言いつつエナから受け取ったタオルでゴロリの体を拭いていくカイル。
「あれ? そんなに痛くない……」

 キョトンとした顔で状況を受け入れる慎ましやかな肢体をした女性。
「おいエナ……お前力入れすぎなんじゃね?」
「いやだって大人しくしてないから……!」
 ムキになって反論するエナ。
「気持ちはわかるが、それで逃げられてたら元も子もないだろ」
「むぅ……てゆーかそれよりも、カイルってそーゆーのがタイプなワケ?」
「何を根拠に……」
「だってメッチャ見てた!」
「あの状況で目を離す方が危険だろ」
「むぅ……わたしだって今あられもない姿してるんですけど?」
「普段あんだけ肌見せといてよく言うよ。それに、エナは目を離しても襲いかかってきたり逃亡したりはしないだろう」
「まぁ、ねぇ……」
 あやうく言い争いになりそうだったが、うまくエナが言いくるめられてくれたようだ。
「これでよし、と」
 あらかた拭き終えてタオルを脱衣所に持っていこうとしたところを、阿吽の呼吸よろしくエナが受け取り、ロリっ娘(くどいようだが18以上)を押しつつ脱衣所に戻って行く。
「もうちょっとだけ待っててねーカイル」
 ひらひらと手のひらで応じるカイル。とは言え再度兵器に思いを馳せるには気分が変わりすぎた。
 あの調子なら喉が渇いているだろう。そんな機転を利かせたカイルは、貯蔵庫へと足を向ける。

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