GUARDIAN GIRL 45
『がはぁっ!!』
煙漂う中、女性型ギガンティックは動き出そうとする。
そんな姿が爆炎の中から見える。だが時は既に遅かった。
ヒィィィィィィ・・・・・・・・・
進路を微調整しながら高速で落下してきた黒く長い棒が4本、爆炎めがけて突っ込んでゆく。
ぶじゃじゅじゅっ・・・・・ガハッ!!!!
爆炎がややおさまり、ギガンティックの姿が見えた時、その姿は満身創痍であった。
対艦ミサイル20発の直撃を受けたところへ、さらに特殊合金製の棒が4本突き刺さり、ギガンティックを地面に縫いとめていた。
「今だよ!!一気に最大の攻撃を!!」
僕は2人に叫んだ。
『了解!!』
2人とも、戦意を漲らせて答える。その姿をモニター越しに見た僕は、2人がさらに魅力的になったように感じたんだ。
銃撃、刺突、斬撃、殴打・・・・・
アイギスアーマーでおよそ考えられるすべての攻撃が、動けないギガンティックに向けて叩き込まれた。
「ギガンティック、沈黙!」
オペレーターの声が、僕たちにも聞こえた。
「フッ…フフフッアーッハッハ!少し見くびりすぎたね」
完全に沈黙したと思った黒獅子が起き上がり、徹底的に痛め付けた機体の損傷ヵ所もみるみる復元されていく。
「ウソっ」
「なにっ!」
満身創痍だったのはトモエ、チヅルもおなじだったが反則的な敵機の回復能力に驚きを隠せなかった。
「ンンン〜?何を驚く小娘ども?こんな『ほーけー』野郎の小僧ッ子の様な…遠慮がちな攻撃で…この『黒獅子』が昇天するとでも思ったのか…ンンン〜…?」
「貴様ッ…言わせておけば…例え『ほーけー』であってもリョウトは立派なのだッ!」
「世界の男子六割は『ほーけー』なんだからッ!戦いは数だよッ!勝ち組だよッ!」
…あの〜…え〜と…かなりガチな戦闘中なんですけど…
何で今更『ほーけー』の話が出てくんだよぉおおお!と思いながら目線を下げるリョウトだが、そんな事を気にしている状況ではない。
『黒獅子』のパイロットの挑発に二人は戦意を再び燃え上がらせる。
が…
「残念だが今はこれ以上貴様等と遊んでやるヒマはなくってな」
『黒獅子』は腰に装備していた鞭を手に取り振るう。
「うぁぁっ!」
「きゃぁぁ!」
鞭は意志を持つかのように朱雀と青龍に絡み付き動きを封じる。
「貴様等は黙って見ていればいい、これが貴様等の世界が我等の世界に生まれ変わる最初の証だ!」
上空に巨大な空間の切れ目が現れ、そこから巨大な杭がゆっくり降りてくる。