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GUARDIAN GIRL
官能リレー小説 - SF

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GUARDIAN GIRL 5


異邦人。その言葉と銃を突きつけられたショックで、ぼくの頭は頭が真っ白になる。
そして目の前の異邦人が引き金に力をこめた。

パンッ、パンッ!

乾いた音がして数発の弾丸が放たれた。
しかしそれが貫いたのはぼくの頭ではない。
ぼくを撃とうとしていた異邦人の右手であった。
一瞬遅れて噴出する血のしぶき。
異邦人のにらみつける視線の先には、数人の黒尽くめ・サングラスのお兄さんたちが、硝煙を立ち上らせる拳銃をぼくたちに突きつけていた。
一体何が。そう思うより先に異邦人と黒服男たちは、すばやく戦闘に突入していた。

「ふふふ…人間ごときが群れたところで」

『異邦人』が不気味な笑みを浮かべると、黒い霧のようなモノが身体を包む。

「マズい!擬態が解除される」

黒服達が一斉に仕掛けるが…

「グァァァ、遅かったな」
霧が『異邦人』の身体に吸い込まれると甲殻のような鎧に変わる。

「マズい…」

黒服達が雲散するよりも速く、『異邦人』の掌から伸びた刄が彼等の命に終止符を打った。
しかし黒服たちもただやられるばかりではない。
銃弾を甲殻の鎧に弾かれ、仲間たちの命が奪われていく中、拳銃からナイフに武器を切り替えた最後の1人が、『異邦人』の懐にもぐりこんで鎧の隙間に差し込んだのだ。

「グオッ!?」
「FQ052。こちら武美リョウト護衛部隊。
 現在、ターゲットを狙う『異邦人』と交戦中。
 私を除くメンバーが全員死亡。至急応援を求む」

ナイフを突き立てた状態で黒服が、誰かに向かって話しかける。
おそらく服のどこかにある通信機か何かで、仲間に連絡しているのだろう。
だが善戦もそこまでだった。
ナイフを刺された痛みに耐えつつ、『異邦人』が黒服の頭をつかみ、空中へと持ち上げたのだ。
よほど強い力で握り締めているのか、黒服は両手をだらんとたらしたまま小刻みに震えている。

「貴様ァ・・・いったいどこのものだ!?言えッ!?」
「ふ、ふふ・・・。そんなこと・・・言うと、思う、かっ・・・?
 こちらの情報は・・・死んでも、渡さん、さ」
「ならば、死ねッ!」

次の瞬間、最後の黒服の頭はまるでスイカのように砕けていた。
わずか数分足らずでできあがった殺人現場。
あまりに突然で理不尽な展開に、ボクは動くどころか、悲鳴を上げることすらできなかった。
『異邦人』がゆっくりとこちらに振り向く。
見るからに硬そうな鎧の隙間から、赤く血走った目が輝く。
殺サレル。その殺気に死を覚悟したそのときだ。

ドムンッ!!

「グオオォッ!?」

突然、『異邦人』の腹あたりが爆発した。
そこは最後の黒服がナイフを突き立てたところ。
さすがにこれは効いたらしく、たまらずひざをつく『異邦人』。

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