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GUARDIAN GIRL
官能リレー小説 - SF

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GUARDIAN GIRL 4


「君たちにばかりツラい思いをさせてすまないな」

鬼島は申し訳なさそうに二人に言う。

「いいえ、みんなを守るって決めたのは私だから」

トモエは決意に満ちた目で鬼島を見つめる。

「そうです。アイツ等と戦う力が手には入るなら何でもします」

チヅルも鬼島を見つめる。

「そう言ってくれると助かるよ…」

鬼島は二人の肩に手を乗せる。

――――

一方その頃。突然の軍からのスカウトに、ぼくは途方にくれて町を徘徊していた。
軍に入るということは、ぼくの家族を奪った『異邦人』たちと戦うことになる。
本当の家族を失ったあの日から、アイツらに復讐すること、仇を討とうと思ったことは一度や二度ではない。
でも義務教育も済んでいない自分が、やっていけるかと言われれば、やはり無理だと思わざるを得ない。
自分で言うのもなんだが、ぼくはそれほど頭もよくなければ運動神経がいいわけでもない。
中の中〜下。それがぼくの校内におけるポジションだ。
そんなぼくが軍なんて厳しいところでやっていけるのか。
そもそも、あの人たちは何で自分をスカウトしようなんて思ったのだろうか?
考えれば考えるほど、ぼくはどうしていいかわからなくなった。
孤児院のみんなは軍にスカウトされたぼくを羨望のまなざしで見つめ、英雄のように扱ってくれた。
孤児院のみんなのほとんどはぼくと同じく、家族を『異邦人』に殺されてきた子供たちだ。
復讐のチャンスを棚ボタでも手に入れられたぼくは、誰よりもラッキーな人間に見えたのだろう。
園長先生はぼくの実力、境遇をすべて理解したうえで、『後悔しないようによく考えてから決めなさい』とだけ言ってくれた。
ぼくは他人に聞くこともできず、あてどもなく町をさまよっていたその帰り道。
人気のない住宅地で、見知らぬ若い男の人に声をかけられた。

「武美リョウト、だな?」
「え?あの、いったいあなたは・・・?」

突然知らない人に声をかけられたぼくは、どう返事をしていいのかわからず、とりあえず相手の名前だけでも聞こうとした。
しかしそんなぼくの質問に対し、男の人は黒光りする鉄の塊・・・一丁の拳銃をぼくの頭に突きつけることだった。

「え・・・?」
「すまんな。
 正直おまえという存在には興味はあるが、我々『異邦人』の脅威を放置できるほど寛容でもないのでな」

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