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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 10


啓太の言葉に夢は目を見開かせる。
それは夢自身も知らなかった情報であった。
次の瞬間、夢はハッと何かに気づいて後ろを振り向く。

こそこそこそ・・・。

するとそこには、エレメンタル・ガーディアンを回収してきた3人の怪人の1人、ウルティマ・ビーストが極力音を立てないように気を使いながら立ち去ろうとする姿があった。

「・・・・・・(怒)」
「あぎがっ!?」

夢は無言で腕を怪人化させ、強靭な糸をビーストの首目がけて放り投げる。
糸は見事ビーストの首に絡みつき、彼女の口から色気の欠片もない悲鳴があがる。
夢は顔色1つ変えずに糸を手繰り寄せ、もがくビーストを自分の足元まで引きずり込む。

「・・・ビースト?啓太様のお出迎えの最中にどこへ行くつもりだ?」
「い、いや。ちょっと便所に行こうかと・・・」

ドガンッ!

ビーストが乾いた笑いで応じた瞬間、彼女の顔のすぐそばを怪人化した夢の足がものすごい勢いで通り抜ける。

「・・・次はないぞ?」
「ははは・・・はい」

底冷えするかのような声に、ビーストは心底怯えながら返答する。
このときビーストは思った。

(ま、まずいっ!夢の姉御、本気で怒ってる!)

もしうそでもついてごまかそうとすれば、今度は間違いなく自分の頭が踏み潰されることだろう。
完全に逃げ場を失った下手人を捕えた夢は、申し訳なさそうに啓太に謝る。

「申し訳ありません、啓太様。
 どうやら私の監督不行き届きのようです。
 今、他の下手人を引っ立ててこさせますので。少々お待ちを」

夢は近くの部下に命じて、エレメンタル・ガーディアンを捕まえてきたクロック、シャーマンの2人の怪人を呼び出させる。
以前ならあまりに過激な一連の脅迫じみた行動を中止する啓太だが、この半年でさまざまな経験を体験した彼は特に何を言うでもなく下手人の到着を待つ。
そして啓太の前にクロックとシャーマンがやってきた――。
「啓太様、失礼いたします。」
「…………………」
クロックは何事も動じなかったが、シャーマンは啓太の表情をみるなりただ事でないと気付きオロオロしていた。
「クロック・シャーマン、エレメンタル・ガーディアンを連れてきたのはお前等だったな。今夜の任務で出くわした正義の味方は彼女達をよく知っていたんだ。彼女達は記憶喪失の野良怪人じゃないのか。」
クロックとシャーマン頭ごなしに怒らず真相を問い詰める啓太。

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