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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 9


「これから基地に戻る。2人のケガの具合はどうだ?」
「・・・タマゴはわからないですけど、グラップルは大丈夫だと思います」
「炎をかぶっていたのは短時間だし、当たんないよーにしましたから大丈夫なはずですっ!」
「よし。それじゃ基地に戻るぞ!」

日本刀メイドとミニスカメイドの答えに満足した啓太は、そう言うと3人のメイドとともにビルの屋上を後にした。
手の空いている杖を持ったメイドにおんぶされての情けない手段での移動であったが。

――――

その頃。啓太たちと同じように、町の夜空を疾駆する人影があった。
翔影である。
沈着冷静、影のごとく動くことを心情としている男が、めずらしく人ならざる力を持って移動していた。
彼をこんな行動に駆り立てたもの。
それはもちろん、あの鎧騎士(啓太)とそれに追従していたエレメンタル・ガーディアンのことである。
あの連中にはあまりに不可解な点が多すぎた。
なぜあの男は彼女らの素性を知らなかったのか。
彼女らとは顔見知り程度の間柄だが、彼女らもそこそこ名前の売れた正義の味方だ。
それを部下として使うとなれば、その素性を知っていてもおかしくないはず。
なのにあの鎧騎士は何も知らなかった。
どこぞの人身売買組織にでも捕まって売られたか?
・・・いや、それもありえない。
いくら人身売買を取り扱う連中でも、正義の味方なんてレアな存在をそう簡単に手放すとは思えない。
考えれば考えるほど思考に矛盾が生じ、訳がわからなくなる。
こんな不快な経験は初めてであった。

(とにかくエレメンタル・ガーディアンの陥落を『あのお方』にお伝えせねば!)

翔影はよけいな考えを捨てて空を飛ぶ。
その名前の通り、影に生きるものの血を受け継ぐものの末裔として――。

――――

「お帰りなさいませ、啓太様!任務の遂行、お疲れ様でございました!」
「「「お帰りなさいませ、啓太様!!」」」

そしてそれから1時間後。
予想外の戦闘を終えた啓太たちは怪人たちの本拠地へと戻ってきていた。
入り口をくぐると、そこにはすでに啓太の帰還の報告を受けた夢たち幹部怪人が、部下の怪人を引き連れてその帰りを待っていた。
以前はあまりに大仰なお出迎えに閉口していたものだが、今はそれどころではない。
啓太は夢の元につかつか歩み寄るなり、いきなり問い詰めた。

「どういうことだ、夢ッ!?
 あの3人は野良怪人じゃなかったのか!?」
「・・・?何のことですか、啓太様?
 あの3人が何か粗相でもいたしましたか?」
「そうじゃないっ!偶然会った正義の味方が言ってたんだ!
 『自分を攻撃して怪人に味方するとは何事だ』って!!」
「!?」

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