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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 80

と。そこまで思い出して、啓太は自分がとんでもないことを忘れていたことを思い出す。
次の瞬間、啓太は鈴の肩をつかむとガクガク揺さぶりながら思いつく限りの疑問を並べまくし立てる。

「おい鈴っ!?みんなはどうなったんだ!?
 敵は!?夢はッ!?あのあと一体どうなったんだ!?」
「ちょっ・・・けけけ啓太様、落ち着・・・!」
「け、啓太様!?落ち着いてください!
 いくら傷が治ってもまだ病み上がりなんですよっ!?」

激しい揺さぶりにまともにしゃべれない鈴に代わって、空が啓太の身体を気遣い、押し留めようとする。
しかし仲間のことが心配でならない啓太は、一向に治まらない。
一体どうしたら・・・。そんな空気が流れ始めたその時だった。

「みんな無事ですよ。敵も全て撃退しました」

部屋の入り口から冷ややかな声が聞こえた。
振り向けばそこには謹慎処分を受けていたはずのクロックの姿が。
夢はある理由から動けないので、急遽参謀代理として謹慎処分を解かれたのである。
クロックの言葉にホッと安堵のため息をつく啓太。
だが啓太が安心するのはまだ気の早い話であった。

「啓太様を撃ったのは正義の味方『ウルトラスナイパー』。
 デリシャスに侵入した敵を撃退しようとして、啓太様を敵と勘違いしたようですね」
「勘違い・・・勘違いで殺されかけたんか、オレ?」
「我々なんて正義の味方からすれば敵以外の何物でもないでしょう?
 次、行きますよ」

・・・結構辛辣な言葉で話を進めるクロック。
生きるか死ぬかの2択しかない戦場に慣れると、こんな感じになるのだろうか?
自分の選んだ道にちょっと後悔を覚える啓太であった。

「次にファミリーレストラン『デリシャス』の被害状況です」
「!!」
「店は半壊しましたが、居合わせた客に大きなケガはなし。
 せいぜい擦り傷切り傷といったろころです。
 しかし店員たちの大半がウルトラスナイパーの銃弾にやられて重傷。
 しばらくは地上勤務はムリですね」
「そ、そんなことより!夢は!?みんなは大丈夫なのか!?」
「店員たちについては重傷と言いました。
 ケガこそひどいですが命に別状はありません。
 問題は夢のほうですね」

その言葉に啓太は顔から血の気が引いた。
まさか――!?自分のせいで死んだなんてことは・・・!?
啓太はクロックの次の言葉を、死刑宣告を言い渡されるかどうかの気持ちで待ち続けた。

「啓太様がやられてから、別人のような姿に変身し。圧倒的な力でウルトラスナイパー他、増援の正義の味方を撤退させました。
 その後、元に戻った夢が気絶した状態で発見されました。
 今、医療部が診察・治療していますが手のつけられない状態です」
「―――ッ!?た、助からなかったの、か・・・!?」

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