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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 77

「やった!!あれ・・・?」
手応えを感じるウルトラスナイパーであった。
しかし、壁に銃弾がめり込んでいるだけで翔影の姿はなかった。
「どこだ、あの野郎どこへいきやが・・・・」
姿の見えない翔影に虚勢を張りながら叫ぶスナイパー・
「・・・ここだよ、ウルトラスナイパー。」


翔影の声のする天井に顔をむけた瞬間。
天井を地面の様に足を付けている翔影は三つの手裏剣を目にも止まらぬ早業でウルトラ・スナイパーの目と腕にに目掛けて投げ付けてきた。
ヒュン!!ヒュン!!
「うぎゃあああ!!!!眼っ眼が!!!腕が!!!」
翔影をみた瞬間両目を潰され腕を切断されたウルトラ・スナイパーは余りの痛さに狂ったように叫びまくった。
激痛に悶えながら彼は思った。なぜ銃を持つ自分が負けたのだと。
いくら身体機能が高い正義の味方とは言え、機械などのサポートもなしに瞬間移動するなどありえない。
仮に仕えたとしてもそれなりの痕跡が残るはずだ。
なのにあの男にはそれが見られなかった。
ましてウルトラスナイパーは銃のスペシャリスト。
狙撃は元より早撃ちでもかなりの腕前だと自負していた。
その自分が的に逃げられるなんて全くの想像外だった。

「・・・どうした?もう降参か?」
「ッ!?」

その言葉で、ウルトラスナイパーは視覚と腕を失った痛みを忘れた。
彼はとっさに銃を抜こうと試みるも、深々と手裏剣の刺さった左手はピクリともしない。
それはウルトラスナイパーにとって絶望的な状況を意味していた。

「どうやら打つ手がなくなったみたいだな。
 正義を騙る小悪党の実力ではこんなものか」
「・・・〜〜ッ!?ま、待て!!待ってくれ!
 同じ正義の味方だろ!?たっ・・・助けてくれよ!?」

一歩一歩ゆっくりと。だが確実に近づいてくる足音に、ウルトラスナイパーは命乞いをした。

「悪いが貴様を処分せねばこちらが殺されかねないのでな。
 その要求は却下だ」
「まっ・・・待て!!か、金なら後でいくらでもくれてやるッ!!
 つ、潰した組織から掠め取った上前を別の場所に隠してあるんだ!!
 そ、それを全部やるから・・・!!」
「・・・くどい。貴様の死はすでに決した。
 仮にも正義の味方を名乗っているなら、せめて潔く自殺でもしろ」
「ヒッ・・・!?」

目を失った恐怖が死への恐怖を倍増させる。
今まで一方的に独善的な正義を行ってきたその男に、もはや正義の味方としての威厳はない。

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