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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 73


ドサ・・・ッ

全てを終え、安心した夢はホッと一息つくと意識を失い、その場に倒れる。
銀色の髪や青い瞳は元に戻り、白磁のような肌もその輝きを幾分か失っていく。
だが全てが元に戻ったわけでもない。
大きく膨らんだ胸は戻っていないし、髪の毛の一部が銀色のままだ。

「啓太様ッ!!夢さまッ!?」

限定空間が消え、傍観者にならざるを得なかった空と薙他、動ける怪人ウエイトレスの面々がこのときになってようやく彼女たちの元に駆け寄った。
これでやっと戦いが終わったのか――!?
そう思われたそのときだ。

グボォアアァァッ!

『!?』

突然啓太たちの倒れた付近の床が爆発し、大量の土砂が舞った。
まさか。まだ敵が残っていたのか!?
よりにもよって倒れた啓太たちのそばに出たことに、最悪の展開でないことを願いつつ、空たちは突然開いた床の穴をにらみつける。
すると、土煙に紛れ、何者かの手がにょっきりと飛び出した。

「・・・・・・!?」
「あ、みんなっ!?」

最初に声をあげたのは円だった。
突然現れたのは彼女の一部、ハーメルンだったのだ。
彼女たちはトカゲ人間たち率いる誘拐部隊を倒した後、目のいい怪人にここの位置を調べさせてから、地道に地面を掘り進んでいたのである。
まだいるであろう、敵の不意をつくために。
しかし肝心の戦闘は当に終わっており、まったく場違いなタイミングで出てきたというわけだ。

「・・・っ?・・・っ?」

顔のない巨人が、『あれ?戦闘は?敵は?』と言わんばかりの様子で周囲をうかがう。
さらに彼女の空けた穴の奥からは、上の様子をしきりにうかがう怪人たちの声が。
場違いどころか、最悪のタイミングでの登場に、円が思わず文句を言おうと前に出る。
が。それより早く複数の人影が円を突き飛ばした。

「ええい、ジャマでござるっ!さっさとどかんかッ!?」
「キャーッ!?蓮、羽樹、六実っ!?大丈夫っ!?」
「啓太様ッ、夢さまッ!?大丈夫ですかッ!?」

それは薙と空であった。
薙はハーメルンの巨体を突き飛ばし、急いで空に治療を促す。
遠慮のない怪力に吹き飛ばされた未完成の合体怪人は、壁の向こうに激突すると同時に合体が解け、ボロボロと落ちていった。
封印されているとは言え、薙の怪力で吹き飛ばされた3人の容態も気になるところだが、円が介抱しているようなので大丈夫だろう、たぶん。
とにかくこうしてファミレス『デリシャス』の視察は、敵組織と正義の味方の撃退をもって終了し。

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