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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 69


「け・・・!!」

スローモーションのように倒れていく啓太。
その瞬間、夢の脳裏には『ある光景』がフラッシュバックされる。
それは彼女の記憶にはないはずの不可思議な記憶。
見たこともないはずなのに懐かしさを感じさせる女。
そして自分とその女の間に割って入る血まみれの男の姿。
次の瞬間、男は身体中に風穴を開け、そこからあふれ出た光が自分を包み込み―――。

「アアアアァァアアアアアアアァァアアァ〜〜〜ッ!!」

その瞬間、夢は大量の涙とともに絶叫した。
「お〜お〜良い声で泣くな嬢ちゃん、後で可愛がってやるぜ。でも、その前に俺の美女狩りを邪魔したこの厳つい鎧騎士の怪人を嬲ってから殺すか。」
ドンドンドン。
ウルトラ・スナイパーは視線を再びリベリオンに戻すと倒れたリベリオンの割れた鎧の部分を打ち始めた。
バリン、バリン。
「グハー!!ガハッ!!」
ウルトラスナイパーが割れた鎧の部分を発砲するとリベリオンのボディーは面白い様に割れた。

「ヒャハハハハ!!」

ウルトラ・スナイパーの高笑いが響き渡る。
辺りには無残にも砕け散った、リベリオンの鎧。

「先は一発…」

響く銃声。

「ガッ!?」

凶弾はむき出しになったリベリオンの腹部に命中し…
「次…」

「あぐっ……」
2発目の銃声の後、泣き叫ぶ夢の頬に…温かい真紅の雨が降った。

「リ…ベ…リオンさ…ま?」



・・・血まみれで横たわる啓太の姿を見た瞬間、夢の中で何かが弾け飛んだ。

ドクンッ・・・!

「ッ・・・!?」

その瞬間、『デリシャス』を中心としたあたり一帯が、異様な空気が飲み込まれた。
それは何と例えればよかったのだろう。
カエルににらまれたヘビ?ゾウの足元にいるアリ?
いや、どれもその空間の異様さを伝えるには物足りない。
強いて言うならヘビに丸呑みされて胃袋に落ちたカエル・・・だろうか。
『確実な死が待っている』なんてレベルではない。
それは『確実な死を与えられている』と思わせる空間であった。
ウルトラスナイパーが啓太をなぶることすら忘れて、空間の中心にいる夢を見る。
夢の糸で織られた服が力を失い、元に戻る。
それと同時に夢の身体が劇的な変化を引き起こす。
黒かった髪は白銀色に変わり、急速に髪が伸びていく。
瞳の色も黒から透明感のある水色に変わっていく。
血と泥にまみれた肌は陶磁器のような艶やかな白に塗り替えられていく。
Gカップだった胸も風船のようにふくらみ、その美しさが一足飛びで1まわりも2まわりもレベルアップしていく。
変化が終わったとき、そこには夢はいなかった。

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