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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 68

しかし夢の心に走った感情は歓喜でも感謝でもなく。
なぜ来てしまったのかという後悔と無念であった。
この危機的な状況に及んで、彼女は啓太を心配していたのだ。
そしてその不安は現実のものとなる。
突然の闖入者に、ウルトラスナイパーは心底不愉快そうに銃口を向けたのだ。

「・・・っるせえんだよ。男が楽しいオレの一時をじゃますんじゃねえよ」
「ッ!!やめ・・・!」

ドンドンドンッ!!

最後まで物を言わせず、ウルトラスナイパーの弾丸が啓太を襲う。
真正面から突っ込むバカ正直な啓太を、完全にナメきった攻撃だった。
だがそれは過ちだったとすぐに気づくこととなる。

ガキガキガキィンッ!!

「お・・・ッ!?」

放たれた弾丸は命中するも、啓太の鎧を貫くことなく全て弾き飛ばされる。
驚くウルトラスナイパーに、啓太の刃なしのレイサーベルがうなりをあげる。
しかし素人に毛の生えた啓太の攻撃が、正義の味方に通じるはずもなく。
ウルトラスナイパーはあっさり攻撃を回避した。
だがそのおかげで、啓太は夢を救うことができた。

「夢っ!大丈夫か!?」
「け・・・リベリオン様!?な、なぜここに来たのですッ!?
 私たちのことなどいいですから早くお逃げにッ!」
「何言ってんだ、このバカッ!
 勝手に死に急ぐなって何回言えばわかるんだ!?
 いいからオマエは黙ってオレに守られてろッ!!」
「い、いけませんッ!お待ちくだ・・・!!」

啓太は夢の制止を振り切ると、イノシシよろしく猛然と攻撃を仕掛ける。
この時、啓太が夢の言うことを聞いていれば『あんなこと』にはならなかったかもしれない。
しかしなまじ力を身につけた啓太には、それに気づくことができなかった。

「勇ましいねぇ。美人の仲間を救ってナイト気取りかい?
 でもな・・・。世の中のゴミクズ風情が正義の味方に逆らおうなんざ、千年経っても早えんだよッ!!」

ドンドンドンドンドンドンッ!!

憤怒の形相を浮かべたウルトラスナイパーは、拳銃一丁を啓太に向かって発砲した!
だが啓太の鎧に、ただの弾丸は通じないことはすでにわかっているはずだ。
弾丸を変えた様子もないのに、何のつもりだろう?
それは次の瞬間、明らかとなった。

ビシッ!ビシッ!

1発目が着弾。そして2発目の弾丸が1発目の着弾店に命中した。
そして3発目、4発目も同じところに着弾――!?

ビシッ!・・・ビキッ!?

「―――え!?」

5発目が1〜4発目と同じところに着弾した瞬間、ありえないことが起こった。
難攻不落の啓太の鎧にヒビが入り、隙間ができたのだ。
啓太がマヌケな声を上げた瞬間、最後の6発目が啓太の鎧を貫いた。

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