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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 66

そしてすかさず反撃。しかし夢の糸の防御陣がすかさず弾丸を砕く。

「おおっ!?い、意外とやるじゃないのさ・・・?」
「我が主に仇なす害虫ふごときが・・・!
 貴様がケンカを売った相手がどれほどのものか、その身にとくと刻み込んでやる・・・!」

さらに殺気を膨れ上がらせる夢と、予想外の強敵に戸惑うウルトラスナイパー。
どうやら挨拶代わりの緒戦は夢がやや優勢のようだ。
しかし相手は腐っても正義の味方。
ここですんなり終わってくれるとは考えにくい。
一体彼はいかなる布石を打つつもりなのだろうか・・・!?

「・・・・・・フッ!」

ジャキッ!

しばしの沈黙の後、ウルトラスナイパーはいきなり銃口を夢に向けた。
しかしただの銃弾が通じないことは先ほどのやり取りでわかっているはず・・・?
案の定、ふざけた行動を取った代償として、夢は突きつけられた拳銃ごとその手を切り刻んでやろうとした。
その時だ。拳銃を突きつける反対側の手の中に、拳銃でない何かが握られていたのを夢の目が捉えた。

「ほいっと」

そしてそれが軽く投げ出された瞬間、夢は拳銃に注意を払いつつ、反射的にそれを叩き潰した。
・・・瞬間!!

パアッ・・・!!

「ぐっ!?」

叩き潰したものが閃光を放ち、視界が奪われる。
それがフラッシュグレネードの類だとわかった瞬間、夢はありったけの糸をウルトラスナイパーのいた位置に向かわせていた。
しかしすでに移動した後だったのか、固形物に絡みついた感触はない。

「・・・ちぃッ!?」

ドンドンドンッ!!

発砲音が3連続。
おそらく移動したウルトラスナイパーが撃ったのだろう。
しかしスキを突かれ攻撃されたというのに、夢の顔には微笑みすら浮かんでいた。

(焦って馬脚を出したな、下郎ッ!)

銃とは発砲するときに音を出す武器だ。
世の中には消音器なるものがあるが、さすがにあの一瞬で取り付けるヒマなどない。
夢は視界を奪われたあの中で、発砲音から敵の大体の居場所を突き止めていた。
この距離なら狙撃のような奇跡の変更はありえない。
弾丸を砕いたらすぐさま貴様も砕いてやる。
勝利を確信した夢の手から、死と破壊を与える無慈悲な糸が音を立てて飛んできているはずの弾丸に襲いかかった。

バキャッ!チュインッ!チュインッ!

「ッ?!」

不可思議な音を聞いた瞬間、手と足から力が抜けた。
わずかに遅れて激しい熱と痛みが広がっていく。
夢は混乱した。手足に被弾したとわかったからだ。
しかしそれはおかしな話だった。
いくら視界を奪われたとは言え、自分は発砲音を元に面の防御をしたはずなのだ。
追跡狙撃じゃあるまいし、この至近距離で自分の防壁をかわせるはずがない。
それに銃弾の数もおかしい。
発砲音は3回。なのに、自分は両手両足に被弾している。
弾丸をいくつか砕いた感触もあったのに。

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