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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 65

と何もないはずの空間で弾丸が砕けて弾ける。
そして気づけば消えたはずの夢の衣装が彼女の身体を覆っていた。
これが夢の考えた、『追跡狙撃』の防御法だった。
実はこの夢の着ているこの衣装、彼女の糸を織り込んで作ったものである。
そして弾丸が飛んでくると衣装の糸をほぐして全方向に展開、目に見えないほどの細かい網に引っかかった弾丸を粉砕していた、というわけなのである。
露出の多い服装になったのは、狙撃されて動けなくなった仲間たちにも同様のことをやっているためで、決して露出趣味があるとかそういうわけではない。
しかしこの方法では防御に手いっぱいでどうしたものかと思っていたが・・・。
どうやらこのイタチごっこも終わりらしい。
薄れてきた白煙の向こう側から、何やら銃器を手にした怪しい人影を夢の視界が捉えていたのだ。
ウルトラスナイパーとの戦い、どうやらこれからが本番のようである。

「フンフフンフ〜ン♪いい感じにくたばっているかな、引き立て役のザコガエル諸君!
 このウルトラスナイパー様に殺されることを誇りに思って死にたまえ・・・って?あれ?」
「・・・なるほど。貴様がこの茶番の立役者というわけか」

カエル怪人をいい感じに殺し、弱らせたと思って意気揚々とやってきたウルトラスナイパーは困惑した。
無理もあるまい。現場に来てみればそこにはカエル怪人の死体と、見たこともない数々の妖艶な女怪人が待ち構えていたのだから。
一方の夢はタイミングを計ったかのようにやってきたウルトラスナイパーを見て、全てを悟った。
彼の経歴、性格、能力からこの騒ぎを引き起こした張本人であると見破ったのである。
恐るべき観察眼だ。

「おいおいおい、どういうこったぁ〜?
 何でカエルどもがこんな美人に変わっちゃってるわけ〜?」
「貴様に答えてやるつもりはないな」

夢は問答無用とばかりに、その手で糸による攻撃を仕掛ける。
仲間を守るために展開された糸が、ウルトラスナイパーに向かって一斉に牙をむく。

「・・・っと!?」

しかし相手は腐っても正義の味方。
殺気を感じてとっさに身をかがめ、その場から転がり脱出する。

バチィッ!!

その瞬間、ウルトラスナイパーのいた空間は夢の糸によって覆われ、閉じられる。
もしあそこに居続ければ、彼は間違いなく大量の血液とともにミンチ肉となっていただろう。

「ひえ〜・・・!危ねえ危ねえ。
 オレは女を泣かせる趣味はあっても、泣かされる趣味はねえんだよ・・・っと!!」

ドンドンドンッ!!

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