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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 64


「・・・・・・ッ!!か、かか、間一髪・・・ッ!」
(ま、間に合った・・・!!)

しかし半人前にもかかわらず、啓太は生きていた。
啓太の能力が防御に特化していたこと、身体能力を強化、操作できる彩夏が近くにいたおかげで何とか九死に一生を得たのだ。
刀が必殺剣を使おうとしたその時、刀の様子がおかしいことに気づいた彩夏が一瞬早く啓太を守ろうと主人の身体に潜り込んだ。
一方の啓太は反射的に身を守ろうと鎧を形成したのである。
さすがにあの一瞬で鎧を出すことはかなわなかったが、実体化しつつある鎧が刀の『火剣』の威力を削ぎ、さらに啓太に寄生した彩夏がしゃにむに回避しようとしたことでかんな奇跡が起きたのである。
とは言え、またあんな凶悪な一撃を放たれてはたまらない。
啓太は意地もプライドもかなぐり捨てて、這い蹲るように刀から離れた。
・・・が、刀は元に戻った剣を振り切った体勢のまま動かない。

「「「・・・・・・?」」」

あまりに妙な大勢で固まっているものだから、啓太・彩夏・空の3人が恐る恐る様子をうかがうと。
操り人形の糸が切れたかのように、刀は白目を向いてバッタリと倒れてしまった。
どうやら啓太を守るために啓太を傷つけるという矛盾した行為に、思考回路がオーバーヒートしたらしい。
だが危うく殺されかけた啓太たちに、そんなことなど知るよしもない。

「ど、どうしたんだ、刀のヤツ・・・?」
「さ、さあ・・・?」

その後十分近く刀を観察し、つついても反応がないことを確認してから地上に向かうことにした。
残るは狙撃ヒーロー『ウルトラスナイパー』と夢だけであるが、彼女は無事、敵を倒すことができたのだろうか?

――――

その頃。ファミリーレストラン『デリシャス』では、夢が白煙の中、軌道の変化する謎の狙撃から全力で仲間を守っていた。
白煙の中、立ち尽くす夢は白銀色のビキニ風のコスチュームに身を包んでいる。
膝まで覆うブーツ、肘まで伸びた手甲のような手袋。
下はスカートを斜めに切ったような腰布、上のビキニからあふれた下乳が今にもこぼれ出そうになっている。
とても実用的な衣服ではないが、今が戦闘中である証拠として、店内は想像以上の緊迫した空気に包まれている。

ギャオンッ・・・!

「ッ!!」

その時、ウルトラスナイパーからの狙撃が来た。
弾丸そのものは夢から外れていたものの。
放たれた弾丸はまるで目でもついているかのように軌道を変えて、夢の右わき腹目がけてUターンをしてきたのだ!
通常ならば絶対回避できないはずの必殺の一撃。
しかし夢はそれを幾度となく防いできた。

シュルッ・・・!

一瞬夢の衣服が崩れ、姿を消す。
夢の見事な肢体があらわになったかと思うと、

ドバキンッ!

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