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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 59

しかしその攻撃力は正義の味方の間で開発された特殊な弾丸によるもので、彼の能力によるものではない。
しかしそうとは知らないハーメルンたちは、ウルトラを過大評価してしまっていた。
しかしあそこには本部へ通じる抜け道がある。
仲間がいる。主人である啓太がいる。
ここで引き下がるわけには行かなかった。

「・・・よし。ここは一か八か、ゴリ押しで」
「バカ言わないで。啓太様からムダに犠牲を出すことは禁じられているでしょう!?
 それにここには非戦闘型の仲間もいるのよ!?」
「だったらコイツらを人質兼盾にしたらどう?」
「いや、コイツらにはできるだけ情報を吐いてもらう必要がある。
 それに敵の手に落ちた仲間を、敵組織が生かしておくとも限らない」
「・・・じゃあ一体どうするって言うのよ!?」

指揮官となる怪人がおらず、騒然となっていく作戦会議。
殴り合い寸前の状況を経て、応援に駆けつける手段がまとまるのはまだ先のことである。
その間に、今度は啓太や夢たちに視点を移してみることにしよう。


――――

「ど、どういうつもりだ、刀っ!?」
「申し訳ありません。ここから先には進ませるわけにはまいりません」

ここはファミレス『デリシャス』の地下。
今ここではありえないはずのある光景が繰り広げられていた。
何と刀が主人である啓太に向かって左手の剣を突きつけているのである。
信じられない展開に、空だけでなく彩夏や心たちギャラリーまでもがその場から動けずにいた。
この事態になった経緯を話すには少々時間をさかのぼる。
心の案内で隠し扉から地上に戻ろうとした啓太たちは、地上へのエレベーターの前に立つ刀と遭遇した。
何も知らない啓太は、てっきり自分を迎えに来たものだと思っていたのだが。
近づいた瞬間、刀は突然刀を抜き、切っ先を啓太に突きつけたのである。

「ど・・・どういうことだよっ!?オレが何かしたのかよ?」

啓太の問いに、刀はわずかな逡巡のあと、その口を開いた。
おそらく正直に言うべきか、少々迷ったのだろう。

「・・・ただ今地上では正体不明の敵組織の襲撃を受けています」
「なッ、何ィッ!?」
「夢さまが陣頭指揮を執っていますが、安全を確認できるまで啓太様にはここでお待ちになっていただきます」
「ば、バカ言うな!?早くみんなを助けに行かないと・・・!!」

そう言って啓太は剣の切っ先を避けて進もうとする。
しかしそんなことなどすでにお見通しの刀は、啓太の動きに合わせて刀を動かし、再び切っ先を啓太に突きつける。

「どわッ!?」
「失礼ながら啓太様。これは普段あなたが経験している訓練などとは危険のレベルが違います。
 申し訳ありませんがこの場にてお待ちください」
「うっ・・・く」

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